蜘蛛


760 本当にあった怖い名無し sage New! 2013/08/04(日) 19:18:54.64 ID:93OTUVbo0

1984年頃 
千葉のある街に馬鹿でかい蜘蛛がいた 
昔保健所だった建物の裏手には大久○団地のバス停へ続く細い道があり 
そこを通る人の何人かはその馬鹿でかい蜘蛛について知っていたかと思う 
私と私の祖母もその一人だった 
私と家族が住む家と祖母の住む家は近くにあり 
事あるごとに挨拶やお使いで祖母の家にお邪魔していた 
そして帰る度に「あの道路には大きい蜘蛛がいるから気を付けるんだよ」と言われたものだ 
その細い道路は既に舗装されており家々と妙に高いコンクリート石垣その上に植えられた 
杉の木の生垣に挟まれた道で 虫らしい虫など夏に茶毒蛾が出る程度としか当時の私は思ってなかった 
ある日母と祖母の家に向かう途中その道の途中で急に鼻血が止まらなくなり 
祖母の家に着くまで血が毀れない様上を向いて行くように言われたのだが 
上を向いた瞬間杉の生垣の上に家で飼ってた猫より大きい女郎蜘蛛がこっちを見ている事に気が付いた 

母に蜘蛛の事を話そうと指をさした途端蜘蛛は生垣の中に隠れてしまい 
母には「おおきい蜘蛛がいた」としか伝えられなかった 
祖母に会い大きい蜘蛛が本当にいたと伝えると「やっぱりいたでしょ」と返って来るのみだった 
呪われる訳でもなく取って食われる訳でもなかったがその女郎蜘蛛を見たのはそれ一度きりで 
それから5年後生垣は金網に取って代わられ生垣があった家も土地ごと売られ 
別の建物が建っている 
近くに住む友人の何人かは蜘蛛の事を知っており 生垣が金網に変わった後はもう見ていないという 
祖母はもうなくなっていたが最後まであの蜘蛛について詳しく聞かなかったのか悔やまれる 
なんにせよもう蜘蛛はいないし それを知らない人間に言っても もう信じては貰えないだろう 
でもせめてこの掲示板でかつて私の故郷に猫よりも大きい女郎蜘蛛がいた事を書かせてほしい 

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