白い手


337 本当にあった怖い名無し sage 2013/05/25(土) 17:37:07.60 ID:rD3UXiSB0


地元は海の前の漁師町(太平洋側)の話 

ここ数年は少なくなったが、幼少から海女さんの真似事をしながらアワビやサザエなんかを取ったり、
釣りをするのが子供の遊びだったんだ 。

朝に堤防まで行くと、まず旗をチェックする(赤旗が立ってると漁禁止)
もちろん放送も入るから誰もが暗黙の了解で守り、事故もなく安全に過ごしていた。 

大型連休になるとまれに他所から海に泳ぎにくる人がいてだいたい家族連れ、
しかも海水浴場ではないので何もない為多くても3.4組の家族。

その日も赤旗が出ていたが他所からくれば知るはずもない目印 。
そんな中家族連れの子供(小学生の男の子2人)が陸から25mほどの距離のテトラポットの付近を浮き輪で泳いでいたんだ。
しかし太平洋側ってのは基本的に波が高いし赤旗も出てるからさらに高くなっていく 。
波は何回かに一回大きな波がくるのだが弟が飲まれてしまいテトラポットに足が挟まり浮き輪は風で飛ばされてしまった。 

顔がかろうじてでるくらいで、お兄さんは自分の浮き輪に弟を捕まらせて何とか必死に励ましたが、
海水を飲んでしまい父親が助けにくる頃には弟は意識をなくしそのままなくなってしまった。 

陸に上がってからお兄さんの方は両親に「白い手が弟君の足を掴んでいた!!」と何回も訴えていた 。

起こった事を要約すれば波に足をさらわれ運悪くテトラポット挟まってしまったとなるのだか、
実は白い手は素潜りをしているときに見たことがあるのだ一瞬ではなく友達に確認し何回も皆見ている。
ワカメや鱧とならんで海底から何本も生えていたのだ。 

今思えば海にいく時は海を祀る神様によってから行っていた為なのか、
見かけても害はなかったので危険なものという認識はなかった。

改めて思い返すとローカルルールというのも理由あっての事だったと思うし、
みなさんも出かける時に地元の人と話す機会があればローカルルールは出来るだけ守る方が賢明だと思います。 

子供のなくなった場所の堤防沿いには今も地元の人々によって献花されている。 

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