悪用

309 本当にあった怖い名無し sage 2012/10/29(月) 16:38:49.84 ID:VJXVxKMd0


俺の会社で同期入社だったやつがこないだ退職したんだよ 
30代後半での早期退職だった 
そいつは仕事もできるし英語もうまくて将来を嘱望されてた 
同期の出世頭だったんでみな驚いた  
理由がわからずいぶかしがるやつが多かったが、退職の理由は一身上の都合ということで 
どこかにヘッド・ハンティングされたんじゃないかという噂も出たくらいだ 
年度途中での退職だったんで課内だけで簡単な送別会をやることになり 
二次会をして解散というときに 
そいつからもう一軒だけつき合ってくれよ聞いてほしい話があると誘われた 
そいつがタクシーをつかまえて、ちょっと離れた区画の地下のバーに案内された 
バーのカウンターから離れたテーブル席に座って 
そいつから聞かされた話は異常なものだった 

「俺は超能力があるんだ・・・笑うなよ、すぐ証拠を見せてやるから・・・ 
俺にある能力というのは物質移動とか瞬間移動とか呼ばれるもので、中学校の頃には気づいてた」 
そう言うと目を閉じて口の端をゆがめて奥歯を噛みしめるような動作をした 
そのとたん俺の口の中で大便の臭いが広がり、歯にねちゃっとした違和感がある 

俺はむせながらナプキンに口の中のものをはき出すと 
それはアメ半分くらいの大きさの大便としか思えないものだった 
そいつは笑って「ホンモノだ、だがお前自身の大便だ・・・トイレに行ってうがいをしてこいよ」 
俺はトイレでえずいてほうほうのていでで戻ってくると、 
そいつは「スマンかった、しかしこれくらいしないと信じないだろ」そう言って 
テーブルの上で深々と頭を下げた 

そいつの話では移動させることができるのは小さな有機物だけで、それも数メートル程度の距離 
つまり大豆の粒などをちょっと離れた場所の人の鼻の穴につめるとか 
そんなことしかできないと笑って言った 
クギや針、石なんかは無理なんだ それから動物の皮なんかで機械処理でなめしたようなのは 
動かないこともあった それから障害物は材質は関係ない 鉄の扉やガラス窓の向こうへも 
物を送り込める 小さな物を数メートルだけならな 
なぜこんな能力が備わってるかはわからない 父も母も普通の人でこんな話は聞いたこともない 
ただなぜか俺にはできるんだ・・・」 

これまでにはいろいろ悪用もしたよ 例えば部長の○○ やつが朝に飲んだお茶を噴き出す 
ことがあるのは、俺がやつの鼻の穴にお茶の粉の粉末を瞬間移動させてるからだ 
中学校のときには能力に気づいたがばかりだったのでいろいろ無茶もした 
いじめっ子の胃の中に熊蜂を送り込んだり、好きだった女の子のマンコに自分の精液を送り込んだこともある
満員電車の中で直腸にラードの固まりを送り込んで・・・そいつが体温で溶けると、どうなる? 
趣味が悪いんでこれ以上は言わないが、自然の中には毒性の強いものもある 
つまり殺人も自由自在ってことさ」 
そう言ってそいつはポケットの中から小ビンを出して振って見せた 

「これはフグ毒その他、自然界の毒物を混ぜた物だ・・・準備は大変だったけどな 
そう、俺は転職することにした この天与の才能を生かすのには殺し屋が一番だとやっとふんぎりがついた   
それが手に入れば、HIVやその他のウイルスだって送り込めるし 
それだと病死としか判断できないだろ・・・」 
俺が呆然としているとそいつは立ち上がり 
「俺はこれから闇稼業になる もう会うこともないだろう・・・大便の味はどうだった? 
これを機にスカトロマニアとかになるなよ」 
笑いながらそう言って店を出ていった 

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