ドッペルゲンガー(6)

736 :本当にあった怖い名無し[sage] :2006/01/19(木) 01:01:18 ID:UojMJRJf0


今から10年程前の事ですが、当時俺が付き合っていた彼女を 
自宅まで車で送り、帰宅して俺の自宅前に車を一旦置いて、 
煙草をきらしていたので直ぐ側の自販機へ買いに行き揚々と 
して戻ると、袋小路となった自宅前に停めてある車と距離として 
10m近づくと、助手席に人影が見えるのです。
そこに乗っていたのは紛れも無く、経った今送ってきた彼女の 
後姿でした。足癖の悪い彼女がいつもそうするように、ダッシュ 
ボードの上に足を上げて、後ろ手を組んだ姿勢であることも 
はっきりと見えました。瞬間は何の違和感も感じず送った事も 
忘れ車へもう一歩近づこうとした時に、周りの喧騒が消え空気 
が変わり、視界が赤いモヤがかったようになり、思考が混乱して 
コンマ何秒かで背筋が寒くなるのを感じました。

また長くなってしまいました。分けますね。

俺は身体が硬直してそこを動けなくなり、視界の先の彼女 
らしき後姿を凝視していました。 
先程会っていた時と違うワンピース姿でしたが、俺がプレゼント 
したばかりのお気に入りのワンピースだと直ぐ解りました。 
足を揺すり俺を待つ姿はまさに彼女そのもので、俺は兎に角 
この場を離れなくてはと、必死の思いで震える足で向きを変え 
て人通りのある道まで、後ろを振り返らず歩きました。
すると街の喧騒が元に戻り聞こえてきたので、我に返り慌てて 
彼女の身の危険を感じ電話すると、直ぐに彼女は電話に出て 
「もう着いたの~」と普段通りの声で話しかけてきました。 
今起きた事を彼女には話さず、何事も無くほっとして早々に 
電話を切り、もう一度意を決して車へ戻るとそこに彼女の姿は 
もうありませんでした。 
後日彼女にこの出来事を怖がらないよう注意して話すと、 
その時はきっとバイトなんか休んで、もっと一緒に居たかったなぁ~ 
なんて考えてたかもと言っておりました。

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