キャンプにて

113 :本当にあった怖い名無し[sage] :2005/09/20(火) 04:31:51 ID:gPdJaYz10

おれも山関係だが山スレ見つからんので。
この夏家族で北東北のとある場所にキャンプに行った。 
その県の最高峰に連なる山脈の山裾で、まるっきり人里からは 
隔絶されたロケーション。 
それにキャンプ場といっても管理人はおらず、林間のテントサイトには 
街灯なども全くない。夜は本当に真っ暗闇になる。

ある晩、子供が眠ってしまった後、テントの外でかみさんと話してた。 
ガスカートリッジ式のランプの明かりのみで、あたりは闇。 
かみさん、突然こんなことを言い出した。

「今朝4時ごろ、テントの外を赤い光が通ってった」

まだ真っ暗な時間だ。なぜか急に目が覚めたんだそうだ。 
そのとき、おれが寝てる側のテントの壁に、直径10センチぐらいの 
赤い光が映っているのが見え、それはゆっくり左方向に移動して行ったという。 
光源はあきらかに外で、光はテントの生地を透過して見えたそうだ。

「車のテールランプみたいだった。でも音はしなかったし…」

テントサイトには車が入れるようになっているし、確かに方向的には 
そっち側(光が見えた側)の芝草に車の轍がついて道になっている。 
つまり、ここまで入ってきた車があったならばそこを通るはずだった。

「やっぱり車だったのかな…」 
「光、途中で途切れたか?」 
「ううん、ずっと見えてた」 
「じゃ、ぜってー車じゃねえよ。だってテントのすぐ脇に木が立ってんじゃん!」
かみさん絶句。

テントから木の幹まで50センチぐらいしかない。 
そのわずかな空間を、赤い光は通っていったことになる。 
それでちょっとブルっと来たわけだが、そのときふと問題の木の向こう側に 
視線が行ったんだ。そしてその瞬間、全身の毛が逆立った。異常なものが見えたんだ。

そこにはうちの車を停めてあったんだが、 
そのすぐ後ろの闇を、薄ぼんやりした白い下半身が歩いていたんだ。 
半透明の「薄ぼんやり」じゃなくて、真っ白だがわずかな明かりだから 
くすんで見えるって感じ。 
しかもそれがやけに小さい!車のタイヤの半分ぐらいしかなかった。 
その異常さに毛が逆立ったんだ。 
“それ”は下半身だけですたすた歩いて、車のすぐ向こう側に消えた。

かみさんはそっち側に背を向けていたから見ていない。 
おれマジ恐怖顔してたらしく、その表情を見たかみさんは 
「ナニ!?ナニ!?」って騒いだが、言わなかった。 
かみさん怖がりだから、言ったらその後が大変だと思ったから。 
そのとき“それ”は車のすぐ向こう側を歩いてたはずだから、 
すぐに見に行ったら確認できたかもしれない。 
でもどうしてもその気にはなれなかった…orz

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