石垣から

537 :あなたのうしろに名無しさんが・・・[sage] :04/07/14 17:07 ID:PW8JeqF6

10年以上前に私が体験した話。 
私が通っていた中学は毎年秋に写生大会があり、 
私が中二の時は有名なお城の風景を描くことになった。 
写生大会はその日丸々かけて行うので途中で絵に飽きて 
遊ぶ学生も出てきた。 
その中に同じクラスのある男子グループが石垣を登って遊んでいた 
のだが、石垣を登っている最中に大きな石がとれて 
中に変な物があると騒ぎ始めた。 
男の子達が石垣から取り出してみると、朽ちた木の箱と 
水晶などが入っていて、箱の中には密教の儀式で使うような 
文字(記号?)がびっしり書かれた紙が沢山入っていた。 
「工事で事故死した人を鎮めるためか、お城の鬼門のような 
所を守るために設置された物か分らないけど、気味が悪いなあ」 
と私は遠めで見ていた。

箱を取り囲んでいる男子達からはなれて、箱が入っていた石垣の 
穴に目をやると、穴の中から黒い煙のようなものが出てくるのが見えた。 
黒い煙は穴の前でまず丸くひとつになり、それから帯かヘビのような 
形になって箱に夢中になっている男子達を取り囲んだ。 
「うわっ、何かマズイのでは!」 
と思ったのだが男子達や近くで絵を描いている他の学生には 
見えていないようだっだ。 
しばらくすると黒い物は囲むのをやめ、ヘビのようにうねりながら 
北の空に飛んでいった。 
私は霊感が無いので不思議な体験だった。

洒落にならない話だとその後に男子達が怪死・発狂したり 
するのだが、そういう大変なことは起きなかった。 
強いて言えばその男子達は運動も勉強もできて女子に人気の 
グループだったのに、今は若禿だったり、受験や就職などで 
躓いちゃってなんとなく不完全燃焼な状態になっているところかな。

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