遭難

匿名さん  2008/01/29 01:10「怖い話投稿:ホラーテラー」
これは友人から聞いた話。

ある男がひとりで登山に出かけたまま行方不明になった。

3年後湿地帯でその男の遺骨が発見され、遺留品の中のテープレコーダーに毎日の様に助けを求める、男の声が録音されていた。

一日目の録音

「夜になると人の声がする・・・
呼ぶ声がする・・・
誰かいるんだろうか?
こちらのSOSには答えてくれない・・・」

二日目の録音

「たすけてくれ・・・
声がする。
夜になるとあいつがやってくる・・・
助けてもらうなんて甘い考えだった・・・
昨日より近づいている・・・
おそろしいよ・・・
おねがい、たすけて・・・
とてもこわい、とても・・・
だれかたすけて・・・」

三日目の録音

「近くまで来ている・・・
おねがい、たすけて・・・
おねがい、おねがい
よぶ・だれも・・・
・・・にんげん・・・わけない・・・
すぐそばまで・・たすけ・
こえが・・・
おねがい、・・た・・・・て」

こうしてテープはそこで切れている。
それ以後、男はテープに何も録音していない。

しかし、警察がこのテープをくわしく分析すると、三日目のテープが最後に切れるところで、これまでとは違う音が録音されていることがわかった。


それは、遭難した男の声とは違う、別の人間の声。
レコーダーのすぐそばで発せられている。
耳元でささやかれたかのように、はっきりと。

「オイ」

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