原著作者:匿名さん  2008/01/14 20:20「怖い話投稿:ホラー テラー」

これは私がスキューバを止めたきっかけになった出来事です。

その日
湾からボートで10分程の沖合いの海底で、派手な模様の石鯛の稚魚をボーっと眺めていると、
ボンベと心臓の鼓動しか聞こえないはずの海底で突然、男性の微かな声が聞こえてきました。

声は
基本的に無音のはずの海底で、
私の鼓膜でなく意識に直接訴えかけるような囁きで

「…するな。」
「…するな。」
「…するな。」

と呼びかけてきます。

私は半分パニックになりボートまで必死にもがきました。

初めは小さく聞き取りにくかった男の声ですが、
海面近くになると、
ほとんど叫び声の様にはっきり私の頭の中に
鳴り響いていました。


「息するな!」
「息するな!」
「息するな!」

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