765 :あなたのうしろに名無しさんが・・・[sage] :03/01/25 13:15 

小学校に上がる前だと思う。
ある朝目を覚ますと隣で寝ている兄以外、家に人の気配がなかった。 
家中を見て回るが、誰もいない。

不安になって兄を起こそうと声をかけ、肩をゆするが目を覚まさない。 
どんなに激しく揺り動かしてもぐにゃり、ぐにゃりとするばかりで死 
んでいるかのようだ。

私は怖くなって家の外に出た。雨が降っていて薄暗かった。家の周り 
を泣きながら歩き回ったが、家の外にもまったく人の気配はなかった。 
泣きながらまた家に帰りぐずぐずしていると、ふいと両親が現れた。

766 :あなたのうしろに名無しさんが・・・[sage] :03/01/25 13:16
「どこにいってたの」と聞いても答えてくれず、「お父さんはここにい 
るよ」「お母さんはここにいるよ」と答えるばかりである。
訳が分からなかったが、とにかく両親は戻ってきて私は安心した。と、 
そこに兄が現れた。兄の顔を見た私は息を飲んだ。

そこにいた兄は兄ではなかった。背格好は似ている。しかし昨日まで 
の兄、さっきまで隣で寝ていた兄と顔が全然違う。目つきがきつい。 
鼻が細く高い。ほほがこけている。髪がぺたんとしている。

あの不思議な朝のようなことはあれが最初で最後だったが、兄自体はそ 
れからもずっと兄とは思えない男の子のままだった。

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