照明の下のベンチ

623 名前:604 :03/01/13 19:37
これまた大学の友人の話。

夜中,女子寮の友人が大学構内にジュースを買いに行くという。
照明も最小限しかないし,変質者とかも時々出没するから
ついてきてくれと頼まれた友人は,暇だったせいもあってOKした。

真っ暗な小道を抜け,体育館脇の照明の下を通り,
自販機のある共用棟までたどり着いた。
何事もなくジュースを買い終わり,体育館脇まできたとき,
ふと彼女が一言。

彼女:「あー,こんな時間にも人がいるんだねー」

友人にはそんな人影は見えない。
へ?どこに?とやや間抜けな質問をする友人。

彼女:「ほら,あそこの照明の下にあるベンチんとこ」

距離にしておよそ5m。
比較的明るめの照明に照らされたベンチは,どうみても無人。
誰もいねーよ,と半分ビビリながらもなんとか答える。

彼女:「え?だって,ほら。こっち向いて手振ってるよ?」

友人は最後の空元気を振り絞り,戸惑う女友達の手をひき
早足で帰ったそうです。


恐怖よりも男の見栄が打ち勝った友人に乾杯。 

前の話へ

次の話へ