笛の音

337 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :02/08/25 02:34

小学生の頃、山に囲まれた所に住んでいました。 
5年生ぐらいの時、夜になると山の向こうから笛の音が聞こえてくる 
ようになりました。最初は気にもならなかったのですが、 
あまりにもしょっちゅう聞こえてくるので、家族に話してみました。 
すると母も姉もそんな笛、聞こえたことがない、というのです。 
姉の部屋はオレのすぐ隣なので、あれだけ大きな音の笛の音が 
聞こえないわけがないのです。(オレにはすごい大音響だった) 
母には、今度聞こえたらすぐに知らせなさいと言われたので 
笛の音が聞こえた時に大急ぎで一階に降りて行って、母と 
いっしょに外へ出たのですが、その時にはもう聞こえなくなっていました。 
そのことを、はす向かいの友達に話したら彼も聞こえるというのです。 
メロディーも一致したので互いに同じ笛の音が聞こえているのは 
間違いありませんでした。彼の弟も同様に聞こえており、 
やっぱり笛が鳴っているんだと思いましたが、 
彼の両親には聞こえていなかったのです。 
さすがに気味が悪かったので、その近辺の友達に確認してみたところ、 
どうやら笛の音が聞こえているのはオレら三人だけ、ということに 
なったのです。 
そもそもよく考えてみればおかしい話で、その山というのは国の施設で 
一般の人間が立ち入ることは出来ません。しかも決まって真夜中に 
山の奥深くで笛を吹く人などいるでしょうか。 
笛のメロディーは今でも鮮明に耳に残っていますが、 
あれは何だったんだろう。

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