焼肉屋の貞子
503 名前:あなたのうしろに名無しさんが :03/01/11 08:43
去年の夏、家族で近所の焼肉食べ放題に行った時の事です。
その店は、小奇麗なチェーエン店でしたので家族連れで一杯でした。
いいかげん、食べて飲んで腹いっぱいになった頃の事です。
洗面所から悲鳴と共に見知らぬ子供達が飛び出して来ました。
「貞子じゃ~!貞子がでた~!!」
一人はそう叫びながら自分の親の所に走ってゆきます。
しかし、もう一人の幼い子供のほうは口から泡を吹きながら
明るい場所に逃げ込んだとたんに気絶してしまいました。
それまでのワイワイガヤガヤした楽しい喧騒が一瞬で止み
店内がシーンと静まり返ってしまったのです。
アルバイトの若い男が、不審に思って洗面所に向かいました。
店内の客と店員は静まり返ったまま男の店員を見守ります。
男の店員が恐る恐る洗面所のドアを開けたとたん
「ギャー!!!!」
と叫んで、男も床に腰を抜かすと這うようにして店内に戻ってきました。
私はフト、思い当たる事があったので、静かに席を立つと
テーブルで怯える私の子供達に
「決してここから動いてはいけないよ。」
と諭すとゆっくりと洗面所に向かいました。
背中に店内のすべての視線を浴びながらゆっくりと・・・
洗面所のドアをあけると手洗い場に
生きている者とは思えないほど青い顔をした女が
髪を振り乱して壁に寄りかかるように座っていました。
「ヴぅ~ヴぅ~」
と小さな声で意味のわからない事をつぶやいています。
私は正に貞子と化した妻に
「だからいくら飲み放題、食べ放題だからと言っても
限度があるだろうって言ったじゃないか。」
と優しく言いました・・・
長い黒髪が良く似合う、お嬢様育ちの妻は
初めての焼肉食い放題に舞い上がって・・・・
(安物の食べ放題には行った事は無かったらしい。)
主人(私)が側にいると言う安心感か
お酒を飲み過ぎて・・・・
(子供もできて、少し安心したのだろう。)