現れない友人とアクセル音

214 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ :02/10/02 22:01 
数年前、友人Aの別荘に招待された。
そのたたずまいは、避暑地の別荘というより、田舎の一軒家という感じだった。
Aの祖父が生前購入したもので、しばらくは家族の者も放置していたらしい。
それでも、ゴルフ場やスキー場、温泉地までのアクセスが便利で、
大学生だったAは、長い休みなどによく利用していた。
 徹夜で麻雀を打ちたいというAの要望に三人の有志が集まったのだが、もう一人B
という男も参加したいと申し出た。
 朝からAの車で別荘に向かう私たちとは別に、Bだけがバイクで合流することになった。
昼過ぎにはには到着するというBを待って、四人で卓を囲んでいたのだが、
夕食の時刻になってもBは現れなかった。
 以前スキーで何度か訪れたというBが道に迷うはずはない。  
 日も暮れて辺りはしーんと静まり返るなか、私たちは言葉すくなにゲームを続けた。
みんな頭のすみにはBのことがあったと思う。 

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