開けなさいよ!

858 名前:首無し :02/09/07 14:41
数年前の夏の話。
その日は良い天気だったのだが、お客さんの家を出たときに夕立ちが酷かった。
まだ18:00くらいなのに、雨雲のためかもう暗くなってた。
急いで車に乗り込み、田舎だったのでとりあえず商店街の方へ行った。
街灯もつかず、暗い商店街には辺りに人気が無く俺の車だけだった。
帰りの道を確認するために俺は車内の電気をつけて地図を見ていた。
そのとき、俺のワゴン車のバックドアの方から、
がちゃ・・・がちゃ・・・と音がする。
後ろを振り返るが誰もいない。
気のせいかと思いまた地図を確認していると、今度は右の窓から人の気配。
ふいに振り向くと、女の人が顔を運転席側の窓にくっつけてこっちを見ていた。

目の前に急に現れた顔に驚いた俺は、思わず「うわあ!」と声をあげた。
女の歳は30前後、白い普通のワンピースで肩くらいの毛。
雨でずぶ濡れになりながら俺の横の窓越しに立っている。
俺と目が合ったその女は、
「開けなさいよ!開けなさいよ!」と言いながら、窓を叩き出した。
怖かったが、時間も時間だし幽霊ではないだろうと思い、少しだけ窓を開けた。
そしたら窓の隙間に手と口を突っ込みながら、
「濡れちゃったじゃないの!怒られちゃうじゃないの!」
とわけのわからんことを怒鳴り始めました。
周りに人もいなく怖くなったので冷静に窓を閉め、発車したのは言うまでもありません。
ちょっと怖かった話。以上。 

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