女の子を見に来た

796 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ :02/09/03 23:04
深夜にファミレスで本が読みたくなって、
明るくて人通りの多い道を歩いていたら
なんとなく前から歩いてきた人に、目が行ってしまった。
一瞬ぎくっとなった。目が大きい中年男性で、少し髪が長め。
全身黒い服。マスクをしていた。
なんとなく、マスクの下に不自然さを感じた。
口が無いというか、顎が無いような気がした。
そして、なぜか目が合ってしまってまた驚いた。
一瞬ですれ違って、男は自分とは逆方向へどんどん進んでいった。
自分はそのままファミレスへ行き、ほっとして席に付いた。
しばらくすると、先ほどの黒服の男が入ってきて、
自分の近くの席に座った。
なにか変わった人らしく、ウェイトレスさんにおかしなことを言ってたようだった。
彼女が、何か男の要求に驚いていたようだった。
「女の子を見に来た」て聞こえた。どうしてもそうにしか聞こえなかった。
咄嗟に深夜勤務のウェイトレスさんの中に、お気に入りの子がいるのかと
思った。まさか自分じゃないだろう、と。
そいつがうつ伏せになって寝始めたのを確認して、即行に店を出た。 

前の話へ

次の話へ