真っ暗な非常階段

509:本当にあった怖い名無し:2008/10/19(日) 14:26:55 ID:QQZ5vKv80
学生時代、ビル清掃のアルバイトをしていた時の話。 

そこは自然に囲まれた、10階建ての施設でした。 
数ヶ月後、ここに都市部から会社がごっそり移転してくるらしく、 
その時はまだ、施設内で働いている人は少数。 

外観はボロボロだけど、非常階段だけはハイテクでした。 
省エネ対策で、人間が非常階段のドアを開けると、 
センサーが察知して、上下2フロアのライトが点灯する。 
で、一定時間動く反応がないと真っ暗(真の闇)になる仕組み。 

若くてナマケ者だった私はそれを利用して、真っ暗な非常階段で 
身動きせずに目をつむってサボってた。 
人が来たら、あたかも明かりの中で掃除をしていたかのように 
見せかける方法。今思うと、なんと情けない。。。 

そんなある日、いつものように暗闇の中で目を閉じサボってると、 
ギイギイと音がする。 
チキンな上に、やましい行為をしていたので、私は飛び上がるほどに 
びっくりしたが、階段が真っ暗なので誰もいないと安心した。 
暇つぶしにメールを見ようと携帯を開いたら、目線の上の方に人が浮いていた。 

私は悲鳴も出ないほどに飛び上がって(ここで非常階段のライトが点灯し明るくなる) 
一目散に非常階段のドアを開けてフロアの方に逃げた。 
仕事をさぼってただけに、このことは誰にも相談できず、数日後にそのバイトは辞めました。 

今思うと、あれは浮いていたんじゃなくて、吊られていたんだろう。 

心霊体験のなかった私の、唯一の出来事でした。 

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