バー

60 名前:元鍵盤弾き :02/07/05 18:15
私は霊感は強い方ではないのですが、
引き寄せる体質だと言われた事がありました。
それは今から三年程前のことです。
その頃私は、昼は会社でプログラマ、夜はバーで
鍵盤弾きという生活をしていました。
鍵盤弾きといっても、演奏の無い時間にはシェーカーを振ったりと
接客をしていたのですが、そんなある日のことです。 

(店内見取図)--------------------------
 ●                 厨|
 ↑  ■■■■■■■■  |房|   ←入
ステージ  カウンタ席      -----   | り
                        | 口
             ボックス席    |
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■|
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いつものように演奏をしていると、常連のお客様がいらっしゃいまして
カウンター席に座られました。
しばらくすると、誰かお店に入ってくる気配がしまして入り口の方に
チラリと目を見やるのですがどなたも入ってこられません。気のせいかと
また演奏しておりますと、先ほどカウンターに座られたお客様も
入り口近くのボックス席を振り向かれています。
その暫く後から接客をしているマスターの様子がどうもおかしいのです。
お客様と一緒に何かを話しながらやたらと私のほうを見ているのでした。
演奏していますと、時折お客様と視線が合うことがあるのですが、
常連様ということもあり会釈を返していました。
演奏の時間を終え、カウンターのお客様にご挨拶に向かいましてお酒など
頂きながら話をしていますと、先ほど話をしていたのは、私には見えない
「誰か」がステージのかたわらにいたという話でした。
年齢は20後半~30歳前後、青いワンピースを着た
肩にかかるくらいの髪の長さの女性だったそうです。 

入店直後、入り口近くのボックス席に座っていたその女性は
演奏が進むにつれカウンター席へ移動しながらステージへと近づき
最後はステージ横に立っていたそうです。常連さんとご一緒されていた
ホステスさんが霊感の強い人らしく、私は霊を連れて帰りやすい体質との事。
(「あなたについて行けばなんとかしてくれると、感じるのよ」とのことですが
思い当たる節も特にはありませんでした。)
縁の無い方でも知らぬ間にお持ち帰りしているはずとの事で、
簡単な除けかたの様なことをしていただき、さっそく店に盛塩。
それから暫くの間は、ドアの開く音がしても誰も店に入ってこない&ドアの外にも人はいない、
お客さんが青い影をみて青ざめるという事が続きました。
部屋に帰って、同棲していたお姉さんにその話をすると、私の不在時に
キッチンと部屋を仕切るドアが開いたり、誰かの足音がするということは
時折あるとの事でした。

後日、昼の仕事を辞め夜の仕事のみで暫く生活しましたが、客足も途絶えがちになり
店は閉店、私は郷里に帰りました。
今でも、自分では感じないが私の周囲の人が異変を感じるということが時折おこります。 

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