深夜残業

28 名前:深夜業 :02/07/03 03:12
仕事から夜遅くまで会社で働いている(今も帰ってきたばかり)ので、
幾つか不思議な経験をするようになった。一番最初は、丁度4年前の
夏、会社で残業していたときのこと。。。

自分の区画だけ電気をつけて、残りは真っ暗にして仕事をしていた。
単調なデータ入力・加工の仕事に従事していたところ、突然、後ろの
席で山積みになっていたファイルがくずれてしまう。「おいおい、きちん
と整理しておけよ。。」と思いつつ、下に落ちたファイル類を広い
集めた時点で、ふと疑問がわく。なんで、こんなにスライドして
落ちるんだ? 山積みの資料・ファイルはまるで誰かに手でなげはなたれ
たかのように、机2つ分を越えて、向こう側に落ちていたのである。
 なおかつ、ところどころ机がぐっしょり濡れている。おかしい。
周りを見渡すと、部署内に人の気配があった。警備員の見回りなら
既に来ていたので、警備員でなない。周りをキョロキョロ見続けて
目がなれてきたところで、あるものがみえた。

 部署の隅(結構広い)に、真っ黒スーツ?(喪服?)を着た
人間がたっているではないか。顔はぼんやり、目は細く小さい、
口は横に真一文字。手は後ろにまわして、こちらをじっとみている。
本能的に声がでた。「泥棒!」。ありったけの声を出して、
もう一度叫ぶ。「泥棒だよ!!」 

そう叫んで、私は反対方面の出口に走っていった。エレベータ
ホールまで辿り着き、急いでボタンを押す。なかなかエレベータ
がこない。そわそわ後ろを振り向きながら、エレベータをまって
いたのだが、そのとき突然、部署内から断末魔がきこえた。
男の声。しかも、複数。怖さのあまり、エレベータがきたにも
かかわらず、私はその場で立ち尽くしてしまった。結局、しばらく
して警備員がやってきたので、二人で部署を確認することにした。
先に警備員が入る。私は怖くて入り口でたっていた。
警備員が見回すも誰もいない。ほら、誰もいないじゃないですか。
そう言いながら、警備員は適当に部屋を懐中電灯で照らした。
そのときであった。懐中電灯が一瞬、何かを照らした。急いで、
照準を合わせる。その瞬間、ぞっとした。 

そこには、首吊りをした人間がはっきりといた。ゆっくりと
揺れている。警備員と私は、二人で部署から飛び出してしまった。
その日は、そこに戻らなかったのは言うまでもない。

 次の日の朝、警察も来る騒ぎとなったのだが、結局、首吊り
死体?は見つからなかった。私と警備員は簡単な事情聴取を受けたが
結局、何もなかった、ということでその場はおわってしまった。
同僚からは基地外あつかいされ、またその警備員はその月にやめて
しまった。。。。
 ただ、後日判明したある事実があった。実は、自分のいた調査部署
で以前自殺者がいたのである。雨の日に自宅マンションの屋上の物干し
さお3本に首をくくってなくなったそうである。。。その方はまさに
私のいた席の背後、つまり、ファイルが突然散乱したあの席で仕事を
していたらしい。合掌。 

前の話へ

次の話へ