雨戸

44 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ :02/02/04 21:44
一人暮らしの友人A子から聞いた話です。
その日、彼女は仕事から帰るといつも通り風呂に入り、遅めの夕食を
とりつつテレビを見ていました。
外は雨が降っています。
彼女の部屋は1階の角部屋、テラス戸を開けると目の前は小さな裏山です。
夜は真っ暗で物騒だし、雨も降っているので、A子は雨戸を下ろして
テラス戸を閉め、カーテンを閉じていました。

しばらくすると、雨戸の向こう側から「すいません。すいません」と
呼び掛けるような男の声が小さく聞こえてきました。
A子は一瞬、ビクッとしましたが、まさか自分に用じゃないだろうと、
無視してテレビを見続けました。
「すいません。開けて下さい。すいません」男の声は続きます。
何だか気持ち悪い・・・と思ったA子がテレビの音を大きくすると、

ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン

まさに彼女が閉めた雨戸を、外から叩く音がしました。
ビックリしたA子は頭から毛布をスッポリかぶり、ヘッドフォンをして
テレビを見続け、酒をがぶ飲みして、何でもない何でもない
雨だ絶対雨の音だ・・・と思いながら半ば無理やり眠りに就きました。

朝起きて、恐る恐る彼女がテラス戸を開けると、雨戸の、
内側でロックする部分がひん曲がっていたそうです。 

前の話へ

次の話へ