ヘッドランプ
325 : 本当にあった怖い名無し : 2011/10/18(火) 20:54:53.99 ID:MuBMYeDw0 [2/3回発言]
不思議動物つながりで思い出した話。キタキツネって人なれしている個体が多いですね。
層雲峡からトムラウシ温泉まで縦走したとき、ヒサゴ沼の湖畔で写真を撮っていると、
キタキツネが現れました。
チングルマの絨毯の上でウロウロしている狐を、ファインダー上でしばらく眺めていると、
急に近寄ってきて、開いたザックの中から何かをひったくって行きました。
こちらは、逃げていく狐の白い尻尾の先を、唖然として見送るだけ。
後で持っていかれたのはヘッドランプだとわかりました。
その日は明日トムラウシ温泉まで下山するので早めに就寝。
夜中にテントの外でヘッドランプを着けた狐が飛び回っている夢を見て起床。
このコースはかなり長大で2009年に9名亡くなられた事故が記憶に新しいですよね。
実は2002年にもこれと酷似した遭難が起こっています。これも悲惨な事故でした。
この時の事故等が元で2003年にカムイサンケナイ川を迂回する新道が作られました。
また、昔はトムラウシ温泉から直接温泉コースをたどることが多かった様に思いますが、
現在では車で短縮登山口まで詰めて短縮コースを通るのが一般的になっているようです。
で、トムラウシ山頂に着いたのが既に正午過ぎ、当時はこれらの事故の前でしたので、
コマドリ沢の雪渓からカムイサンケナイ川沿いのどろどろぬたぬた道を経てカムイ天井へ
登返し、温泉コースを下る頃には日が沈んでしまいました。ヘッドランプが…ぬるぽ。
幸い月の光がありましたが、かなりダメージを被りつつなんとか7時半頃に
(旧)東大雪山荘に到着。当時のぼろっちい露天風呂?で汗を流していると、石鹸台の
横に黄色い物体を発見。よく見るとあのヘッドランプ、PE○ZLのZI○KAでした。
思わず、その辺にあの狐がいないか、探してしまいました。
合理的に考えれば、疲労で記憶が混乱したのか、あるいは誰かがたまたま全く同じ物を
忘れて行ったのでしょうね。露天風呂暗かったし。でも、どうしても前日の夢のことが
思い出されて、仕方ないのでした。今でもそれを使っています。