8ミリビデオ

883 :本当にあった怖い名無し[sage]:2011/08/16(火) 18:11:39.58 ID:jJfordaKO

小学生の時、家族で山にハイキングに行った。 
天気は曇天で、快晴ではなかったが、姉とはしゃぎながら山登りをし、 
頂上でみんなで弁当を食べ、一日を楽しく終えた。 
父はその道中を8ミリビデオで撮影していた。 

後日、その撮ったビデオを見ようと、家族みんながリビングに集まった。 

山頂に着く手前に、少し木が多い暗がりが続く道があったのだけど、 
そのシーンに妙なものが映り込んでいるのに気付いた。 
それは辺りの木と比べても3メートル近くはあろうかという人間で、 
両指?が何本にも分かれてまるで触手のように動いていた。 

これ何?と自分が家族に言うと、みんなも不思議そうにして、 
食い入るようにビデオを見ていた。 
そのまま少し見ていたら、最初に姉があっ!と声を上げた。 
自分もすぐに分かったけど、信じられなかった。 

その人間の触手が、いつの間にか子供を一人捕えていて、 
そのまま画面からフレームアウトしていく所までが、 
ぼんやりと映っていた・・・。 

暫く全員無言のままだったけど、父がビデオの停止ボタンをそっと押した。そのまま解散。 
自分と姉は部屋に行き、あれに付いて考察したがまともな結果は出なかった。 
かなり後で母に聞いた事だが、あの後すぐに山の管理者に、 
行方不明者がいなかったか、とそれとなく尋ねたらしい。 
そういう報告はなかった、との事だった。 

新しい機器が増え、8ミリビデオが見れなくなってからは、 
例のビデオテープは押し入れの中に封印されたままだ。 
未だに食卓などでこの話題が上がる事もあるが、 
誰もあれが何だったのかまともに説明できないでいる。

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