森の奥

79 :本当にあった怖い名無し:2011/06/09(木) 06:00:19.79 ID:a1zg4KLTO
小学4年の夏休みに、爺ちゃんのいる田舎に帰って、 
近くの山で一人で遊んでた時のこと。 

最初はあんまり奥には行かず、道沿いに昆虫なんかを探してたと思う。 
しばらくしてふと森の奥を見ると、信号機が立っているのが見えた。 
まさに、都会の道路にあるあの信号機。未だにはっきり覚えている。 
ランプは点灯していなかったが、倒れたりはせずしっかりと地面に立っていた。 

何だあれ?と思って森の奥に行こうと2、3歩踏み出した瞬間、 
横のくさむらからガサガサッと音がして、ビクッと反射的にそっちを向いたら、 
得体の知れないものがのしかかってきた。 
ここで一旦記憶が飛んでいるので、あまり上手くは言えないが、。 
一瞬だけ見て覚えているのは、黒くて大きな三日月を横にしたような物体?だった。 

それで次に気付いた時は、爺ちゃんの家に向かって歩いていた。 
そしてその道中、妙に頭が痒い。 

家に着くと、母親が俺を見て悲鳴をあげた。「あんた、頭どうしたんよ!?」と。 
え?と思って顔や頭を触ると、血がべっとり。でも全然痛くない。 

訳が分からないまま、とりあえず頭に当てときなさい、と濡らしたタオルを貰ったので、 
そのまま縁側に座って、しばらく下を向いて止血していた。 

何分ぐらい経ったか、ふと顔を上げてみたら、 
母親、父親、妹、爺ちゃん、婆ちゃんが俺の前に全員立っていて、 
みんな目をぐるぐるさせながら(分かるかな?)俺を見てニヤニヤと笑っていた。 
そこでまた記憶が飛んだ。これは多分ショックで気絶したんだと思う。 

目が覚めると俺は布団に寝かされていた。 
ちょうど婆ちゃんがジュースを持ってきてくれた所で、顔を見ても、 
俺が知っているいつもの優しい婆ちゃんだった。 
「暑いからねぇ、帽子かぶらんと。日射病は恐いよ。」なんて言っている。 
俺はとっさに頭に手を当てたが、血どころか傷の痕跡すら無い。 

で、この後どうなったかというと、何も無し。勿論家族も全員普通。 
森の中の信号機も、得体の知れない物体も、 
頭の出血もみんなの気持ち悪い笑いも全部謎のまま、今に至る。 
小学生の俺は一人混乱したまま、こんな出来事を誰に説明できる訳もなかった。 

誰かこういう事に詳しい人が居たら、教えて欲しい。 
あれは何だったんだ? 

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