槌の子

22 :顔:2011/03/24(木) 22:10:47.71 ID:lv4goDdJ0
猿のことを考えると怖くなってきたよ・・・何かわかり次第報告するよ・・・ 

爺ちゃんの友達の話 

爺ちゃんの友達のあだ名は用心っていう。 
なぜそういわれるかというと、一度の狩りに秋田犬を7匹も連れて行くからだ。しかもベルトには大鉈にサバイバルナイフ、ポケットマッチにライター、塩と明王札を 
持つ重装備で、用心さんの山小屋は大きく、ぐるぐる回す発電機式の非常用懐中電灯 
に家庭用ジャンボマッチがあって奥に薪がある。それで釜に火をつけるため、 
ガスボンベを持っていなかった。しかも小屋なのに出窓つきで、そこに干し柿があり、 
冷蔵庫には一ヶ月食うに困らないくらいの漬け物や薫製や干し肉があった。 
ここからが怖い話だ。その日は全くなんにもとれず、トボトボと山小屋に向かって歩いていた。 
すると茂みから焦げ茶色っぽい尻尾が見えた。なんだろうとみていると、茂みの奥からイノシシの断末魔が聞こえてきた。 
気味悪くなって後ずさりしたとき、一匹の秋田犬が吠えちまった。すると茂みから蛇のようなものが出てきたが、それは明らかに蛇ではなかった。 
なぜかというとまず頭から尾までが小さく見積もっても10メートルはあるし、 
目がランランと光り、クチバシのような口にはサーベルタイガーのような牙 
が生えていた。しかも首にはたてがみがある。だいたい1メートル感覚で体から 
たてがみの生えた化け蛇は用心さんを見ると興味ないようにイノシシを食いに茂み 
に戻っていった。山小屋であれは何かと考えていると婆さんから聞いた話が浮かんだ 

巨大な体に獅子のような鬣を持ち、クチバシのような口には刀のような牙が生え 
その歯は猛毒を持ち、牛も一日と持たぬという。途轍もない再生能力と生命力を 
持ち、首だけになっても首から体を再生するという。 

もしかしたらと思っていると犬が吠え始めた。狂ったように吠えおびえながらの必死の 
抵抗というようだった。次の瞬間、扉から頭が突き出た。そうさっきであった 
化け蛇だった。用心さんを見るとニタニタ笑ったように見えた。 
用心はいった 
「お、お前は槌の子だろうっ!! いったい何のようだ?! 
お前の弱点が火だってことは知ってるんだ!!!」 

言って火をかざすと槌の子はニマッと嫌らしい笑みを浮かべ山に消えていった。

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