返してよ

287 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/05/24(木) 18:45
ぼくの友達の友達がデパートで警備員をやっていたときのはなしです
その人はまったく幽霊などこわくない、というような人でした。

ある日、夜の見回りをしていると5階のおもちゃ売り場の前に人影が見えました。 
マネキンかな、と思って、懐中電灯を向けると白いコートを着た、ほんとの女の人だったのです。 
そのデパートには屋上から自殺
した、子供が死んだだのの幽霊がでるような噂はまったくありません。
さすがにギョっとしましたが、これは話のタネになるなーと思って、
こわいもの知らずの人ですから、話してみたそうです。
(そのときはなぜか人間だとは考えず、幽霊だと思い込んでいたそうです。)
 「お客さんもう閉店ですよ」
 「人形」「えっ」
 「人形につめるわたがないの」
とずっとうつむいたままで言ったそうです。そのとき初めて、あれこの人
はただの頭のおかしい人かなと思ったそうです。
 「人形ならこちらにあります」といって人形売り場につれていったそうです。 
両脇に3mぐらいの棚に人形がびっしり並んでるんです

そしたらその女の人が
「返してよ」「えっ」
「私が昨日電話したら返してくれるっていったじゃない!!!
 返せ!!!返せ!!」
とすごい勢いで迫ってきたそうです
「えっ」「ほらそこのポケットに隠してるやつよ!!!!出せ!!」
といって、その人のポケットに両手をいれてぎゅーっと広げて
頭をいれるようにして覗くんです。びっくりして女をつかんで投げと
ばしたら、棚にあたって、人形がばらばらと女の上にやまずみになりました
できるだけ冷静に「勘違いじゃないですか?あなたが探してるものを
ぼくはもってませんよ」と笑いながらいった。
そしたら、しばらくシーンとして、そして、「ちっ」と舌打ちする音が
聞こえて、人形の山の中から低い、男のような声で
「そんなこと最初からわかってるんだよ」
急にゾっとして、捕まえようとしたら、人形の山から女が飛び出して
両脇に熊の人形をかかえながらすごい勢いで階段のほうに向かって
逃げていって、追いかけていったら、もう姿はみえなかった・・・

僕の夢の中の話でした

前の話へ

次の話へ