サンドイッチ

67 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/02/07(水) 15:47
高校生の頃、俺のクラスにいつもいじめられているオタク風の根暗なデブ男がいた。 
実を言うと俺もいじめていた1人だった。 

そんなある日の昼休み。俺はあるプリントを5時限までにやらなくてはならず、 
昼食を食べる間も惜しんで書き進めていた。 
ふと気がつくと教室には4、5人の生徒がいるだけで、ほかの奴らは学食や屋上や中庭へ出ていた。 
教室に残っていた生徒の1人が、その問題のデブな奴で、 
弁当をまるで隠すようにコソコソと食べていた。 

それを見ていた俺は、急に腹が立ってきて、奴の席に近寄って 
「○○くん、何をそんなにコソコソ食べてるのかな? 俺は忙しくて食事をする暇もないよ」 
と言うと、奴はあわてて弁当に蓋をした。 
「おいおい、何も隠す事はないだろ。俺は今日は弁当持ってないから、良かったら俺にも分けてくれないか?」 
と俺は何気なく奴の弁当に手を出した。 
すると、奴は弁当にサッと覆い被さって、俺を睨んできた。 
それを見た俺はカッとなって、 
「おい、なんだよ、その態度は? だいたい人に見せられない弁当なら持ってくるなよ」 
と言うと、奴はニヤリとこれまでに見せた事もないような笑みを浮かべて 
「そんなに見たれば、みせてあげてもいいよ」 
と言って弁当の蓋を空けた。 

俺は奴の態度にわずかな不審を抱きながらも、弁当の中を見た。 
そこには何の変哲もないサンドイッチが入っていただけだった。 
俺は安心して、 
「なんだ、ただのサンドイッチじゃないか? 1つもらってもいいか?」 
と返事も聞かずにサンドイッチを取って、奴がニヤニヤするのを横目に口にした。 
すると、なんとも言えない味が口の中に広がり、俺はあわてて、トイレへ行き、口の中のものを吐き出した。 
なんと、俺の吐き出したものの中には、もぞもぞと動く蛆虫がいたのだ。 
俺がギョっとなって立ち尽くしていると、後ろから奴が近づいてきて、 
「ほかの人たちには言わないほうがいいよ。どうせいつものいじめだと思われるから」 
と嬉しそうに言いやがった。 

その後俺はショックでしばらく学校を休んだが、ようやく出てきた時には、奴は一身上の都合とやらで転校した後だった。 

果たしてあのサンドイッチを奴が食べていたのか、それともいつものいじめの仕返しだったのか、今だに判断がつかないでいる。 

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