多摩の蛭

421 名前:多摩の蛭1/2[sage] 投稿日:04/12/28 13:30:38 ID:UGHbY0k/
避難小屋スレに西丸震哉さんの話が出てましたね。 
私も久しぶりに本棚から引っ張りだして読み返して見ました。 

西丸さんは昔、奥多摩の数馬で、体長80cmの蛭を見たそうですが、 
あまりの気味悪さに谷底に蹴り落としてしまったそうです。 
次の日になってやっと、シマッタ、標本にするべきだったと 
後悔したと書いてありますが、確かに奥多摩は今でもここが東京か? 
と驚かされる程深い森林が残っていますよね。 

ところで、多摩の蛭と云えば、 
多摩の怪談話を拾い集めていた時に、気味の悪い話を読んだ事があります。 

八王子城趾は有名な心霊スポットで、数多くの怪談話が伝えられていますが、 
それも納得できる程、落城の際は壮絶な戦死者を出したそうです。 
城兵達の流す赤い血は近くを流れる城山川に溢れ、 
次から次へ、太く真っ赤な蛭と成って泳ぎ始めました。 
それ以来、城山川は異様に蛭が多く棲み着いているのだとか。 

また、ここの蛭は地元に人間には決して吸い付かないそうですが、 
ある時、越後から来た行商人が、足を洗おうと川に入ると、 
足を踏み入れるや否や、無数の真っ赤な蛭が行商人に吸い付き、 
たちまち吸い殺してしまったそうです。 
八王子城を滅ぼしたのは、加賀の前田や越後の上杉、信濃の真田など、 
北方の大名たちだったので、 
蛭に生まれ変わった城兵達は北国の人間に祟るからだそうです。 

私は、両親が富山県出身なので、 
この話を聞いて以来、八王子城趾には近づかないようにしています。 

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