バス待ち

295 名前: 本当にあった怖い名無し [sage] 投稿日: 04/11/14 23:17:04 ID:NpVEcJpn
直接山ではないのですが、峠道ってことで… 

今から15年くらい前の若い頃、オートバイで北海道ツーリングをした。 
網走の隣にある東藻琴村に住む友人を訪ねたのだが、予定時間を大幅に 
過ぎ、彼の家に着くのは夜中になってしまった。 

途中途中で(携帯なんて持ってない頃だし)公衆電話から連絡を入れていた 
ので、気のいい友人は起きて待っていてくれた。 
東藻琴村への山道は、バスも通っているらしく、田舎独特の小屋掛けされた 
バス停がある。 
その一つを通過した時、沢山の人がバス待ちをしている気配がした。 
小屋の中は薄明るく、初老の農夫や女子学生らしい姿の数人が 
何かはなしている様子だった。 
もちろん瞬時に通り過ぎたので詳しくは見えなかった。 
その時感じたのは「田舎なのにこんな遅くにバスが走るんだな…」 
ということくらい。 

友人の家に着き、久しぶりの再会を懐かしみながら酒を飲んで、眠った。 

翌日、網走に出るために北道を再び通った時、何か気になって昨夜の 
バス停をのぞいてみた。 

時刻表を見ると、夜9時以降の記載はない。 
小屋の中には照明などもちろんなく、夜中に中が薄明るく見えることなど 
あり得ないのに気付いた。 

あの時見たバス待ち風の群衆は、なんだったのだろう…。 

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