あの時

441: 本当にあった怖い名無し:2010/05/31(月) 22:29:45 ID:865T7DLI0
母の友人から聞いた話です。 

臨月に入った、ある奥さんが電車に乗った時の出来事。 
上品な紳士に席を譲られ、お礼を言って座りました。 
その紳士が下車する一瞬、紳士の着るスーツの襟に付いた 
見覚えのある社章に気付きました。 
「主人と同じ会社だ」 

帰宅したご主人に事の顛末を話しました。 
奥さんから聞いた背格好から推定し調べた結果、 
顔見知りの、別の課の課長さんである事が判りました。 
課長さんは「ああ、君の奥さんだったのか。こんな事もあるんだねぇ」と言い、 
この偶然について驚いていたそうです。 


3ヶ月後。 
課長さんの自宅に、奥さんの名前で一通のハガキが届きました。 
赤ちゃんの写真が印刷され、その横にはこう書き添えられていました。 
「その節は、ありがとうございました。この子は、あの時の子供です」 

その日、課長さんの家は、大変な修羅場と化したそうです。 

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