初体験

686 名前:じゃみる・にーと ◆3lKB4Bly.k 投稿日:03/11/19 06:07
高校の頃の話。 
俺の実家はスッゲー山奥で、麓の高校まで通うには片道17㌔以上の山道をチャリで下って行かなきゃならない。 
当然、帰りは17キロ以上の道のりをチャリで上っていかないといけない訳で。 
高一の時の学園祭で、用意がすっかり長引き、下校したのが7時前だった。 
普段は家が遠い事もあり、最低でも4時には下校していた俺だが、 
この時は高校生活初めての学園祭ということもあり、時間を忘れていた。 
「こりゃあ、家に帰ったら10時過ぎだな。」と思った俺はとりあえず家に 
「遅くなるから多分ツレの家に泊まる。先に寝ててくれ。」 
と電話を入れて友達の家に行って飲む事にした。 
次の日が日曜だったので泊まっていっても問題ないだろうと思って 
友達連中と一緒に飲んでいたのだが、あまりに騒ぎすぎたのか、相手の親に飲んでいたのがバレ、全員追い出されてしまった。
(向こうの親は俺の家が17キロ以上も離れた山の上の家の子だと知らない) 
俺の実家が山の上の寺だと知っているヤツが「お前んち遠いんだから、俺んとこに泊まってけよ。」 
と言ってくれたのだが、その時の俺は酒の善いもあったのだろうが、何故か「いいよ。月も出てるからチャリ押して帰るよ。」 
と言って帰ってしまった。 

当然、酔っ払った俺に17㌔以上もの山道を登っていけるはずなど無く、途中で気持ち悪くなって吐いてしまった。 
吐いた所で、山道の三分の一は登ってしまっていたので助けなど期待できない。 
そもそも、参拝者の少ないこの時期はオヤジが檀家さん家に行くときと母がスーパーに買出しに行くとき以外は車なんて一台も通らない。 
こんな夜中じゃあ、それすらないだろう。 
そう思った俺は、夜明けまでに家に帰ることを諦め、酔いが醒めるまで山で休む事にした。 
流石に道の上に直接寝てたら風邪を引いてしまうので、山の傾斜に杉葉を集めてその上に寝転がって月を見ながら何時間か休んでいた。 

ツレの家を追い出されたのが10時過ぎだったので、 
酔いが醒め出した頃は3時か4時にはなっていただろう。 

その時の俺は何故か、ムラムラしてオナニーがしたくなった。 
いくら山奥でも道の上でオナニーするのは恥ずかしい。 
そこで俺は道をそれて山のほうに入っていった。 
少し歩くと昔、棚田だったらしい平地があるのを知っていたので、 
そこにいってぶっコクことにした。 
棚田跡に行くと、ガサガサと音がきこえた。 
俺の家の山は流石に禁猟区なんで、猪や鹿がよく逃げ込んでくる。 
俺もそれかと思ってビビって隠れていたら(鹿はともかく、猪は結構恐い。)どうやら人間らしい。 
しかも、髪の長い若い女だった。 
普通なら君が悪くなってそそくさと立ち去っただろうが、酒も残っていたのだろう、
俺はこっそりと女に近づき、「おい、なにしてるんだ?」と声をかけてしまった。 
女はニコッと笑うと俺に、もたれかかってきた。いい匂いがした。 
その時の俺はおかしくなっていたのか、女を無理やりに抱いてしまった。 
童貞だった俺は強引なセックスだったと思うが、女は嫌がりもせず、俺を受け止めてくれた。 
夜明けまで何回もやったと思う。 
事が終わった後で、女に腕枕をしてやり、話し掛けたが女は微笑むだけで特に答えたりしなかった。 
俺自身もまだ酔いが残っていたのだろう、その事は時に気にせずに又眠ってしまった。 

朝になって、もう一度眼が醒めた時には女はいなかった。 
俺自身は溜まり過ぎておかしな夢でも見たんだろうと思って、腹も減っていたのでさっさと家に帰った。 
家に帰ったらもう6時前で家族は朝飯を食い終わっていた。 
母親が、もういちどご飯作り直すから、とりあえず風呂に入れと言って来たので 
素直にしたがってシャワーを浴びることにした。 
風呂から出て、何気なく、脱いだ学生服を見ると俺のものとは思えない長さの髪の毛がついていた。 
ウチの家で女といえば、母親と婆ちゃんだけだが、婆ちゃんは白髪で髪も短いし、母さんは肩までの長さの髪に軽いパーマを当てている。 
明らかにウチの人間の髪じゃない。 
昨日の女は夢じゃなかったのか? 
不思議に思った俺は朝飯を食った後、もう一度さっきの棚田跡に行ってみた。 
そこには女は当然いなかったが、よく探してみると、学生服についていたのと同じ長さの髪の毛が何本か杉葉の上に散らばっていた。 

もう、10年近くも前の話になるが、あの女は一体なんだったんだろう? 
オヤジや爺ちゃんに聞けばわかるかもしれないが、内容が内容だけに恥ずかしく、聞けないままだ。 
俺には弟がいるし、俺は院に進んでしまったので、実家は弟が継ぐと思う。 

やっぱり山の神さまか何かだったのだろうか? 
俺の家は真言宗なんだが。 

>>690 
俺の地元には俺がガキの頃まで(幼稚園に入る前頃) 
「オゲ」とよばれる人たちがいたよ。 
最近でも居るとは思うんだけど、あんまり見かけない。 
俺んちは結構有名な山寺でお遍路さんが巡礼に来る様な寺なんだけど、オゲって人たちは道に迷ったお遍路さんを助けたり、 
疲れたお遍路さんの荷物を持ってあげたり 
檀家さん家に行ってお経を読んで、代わりに食べ物をもらったり、 
ウチの寺にやってきて寺の掃除をしてくれたり、 
木工細工や竹細工を持ってきて 
米や干物と交換してもらうといった人たちが結構居た。 

ウチの地方じゃあ身なりの汚い人のことを「オゲような人」といったり
お人よしな奴に親しみをこめて軽く蔑む場合に「お前はオゲか」とかいっていた。 
このオゲって連中はウチの山や神社の山なんかに住んでた人たちで山伏みたいな人たちだった。 
普通の仕事や学校には行っていないようだったし、親もそんなふうに教えてくれた。 
乞食や山伏のような変わった人たちだと覚えている。 
ガキの頃の俺は山道の掃除にきていたオゲのオッサン達に気に入られていて坊ちゃん、坊ちゃんと言われて可愛がられていたらしい。 
3,4歳の頃の事なんで詳しくは覚えてないが、母に聞くと「あんたより年上のオゲの子供達もいて、よく遊んで貰ってたよ。」 
とのことらしいが、俺にはサッパリだ。昭和50年代の話だ。 

俺が抱いた山の女の格好は髪はサラサラしたストレートヘアで背中まであった。 
顔は目鼻立ちがはっきりしていて色黒だった。 
服装は秋だったはずなのに薄着で、綿の長袖シャツ?と普通のジーンズだった。靴は脱いでいたと思う。はだしだった。 
棚田跡で体育坐りでゴロゴロしていた。下着は普通の下着をつけていた。 
俺が声をかけたら逃げるかとも思ったが立ち上がって俺に凭れ掛かかってきたんだ。 
とにかく、凄いいい匂いがして(鼻の奥の、脳まで響くような甘い匂いだった)異常に興奮したのを覚えている。
今でもその匂いだけははっきりと覚えているよ。 

あの女はオゲだったのか、なんだったのかよくわからないが、とにかく不思議な初体験ではあったな。 

オゲの人達が最後にウチにきたのは俺が中学校の頃だったな。 
俺が小学校にあがる頃にはたまにしか来なくなり、高学年になった頃には殆ど見なくなっていた。 

ウチの寺がお遍路さんを増やそうと観光バスでも来られるように 
山道の一部をアスファルトで舗装しはじめた頃か? 
この頃から自衛隊の人がよく来るようになったな。 

俺が女になった道は舗装されていないほうの道で曲がりくねって傾斜もキツイので基本的に寺の関係者しか使えない道だ。
私道ってやつだな。 
こちの道を降りないと市内に出られないので、俺は毎日この道を使って登下校してたわけだ。 
高校三年間殆ど休まずに、毎日通ったが、結局あの山の女には二度と会えなかったな。 

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