真っ赤な男

15 :本当にあった怖い名無し:2010/07/06(火) 13:12:35 ID:NtgW4rru0
ゲーム製作者飯島健夫氏の十八番の話。 

少年時代、山にボーイスカウトかなんかで夏キャンプに行った時、 
それを見たんだそうだ。 

真っ昼間。 
カンカン照りの中、何人かで歩いていると、 
木立の中、少し暗がりになった所、ほんの5mほど先に、それはいた。 

人間…? 
木立の緑色のなかに、 
全身を血で塗りたくったかのような、真っ赤な男。 
どろっとした感じで、服を着ているかどうかもわからない。 
目だけはぎょろりと白く剥いて、じっとこちらをみつめている。 
横笛のような、何かわからない物を、両手で支えて口に付け……、 
しばらく、にらみ合いが続いた。 

と、いきなり、足も動かさず、す──っと横方向に滑るように、 
赤い男は木立の中に消えた。 

真っ昼間、明るい太陽の下の出来事でもあり、怖いというより、 
なにか、現実感を感じられずにいたが、 
夜になって、寝床で男の姿を思い出して急にゾッとした。 

近くに精神病患者の施設があったらしいが、そこの患者が 
脱走したり出歩いていたということはないという。 
そもそも、人間らしいところが全く感じられなかった。 

あれは、現代に生き残った妖怪のたぐいではなかったか。 
飯島は今、そう思っているそうだ。

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