しがみつく女

これは自分が体験した実話です。
もうかれこれ8年ほど前の出来事なのですが、用事で池袋へ出かけ家に帰ろうとパルコの前を歩いていました。
自分はけっこう下を向いて歩く癖があるのですが、向かいから人が来たのでフッと目線を上げました。
その瞬間自分は金縛りにあってしまいその人から目線をはずせなくなってしまいました。その人は、
スーツ姿の20台後半位のサラリーマン風の人だったのですが、肩の所に額から血を流したすごい形相の女の人がしがみついていたのです。
その人は自分に
「なに人の顔じっと見てんだよ」
といわんばかりにガンをつけ通り過ぎていきました。
どうしても気になってしまいそっと後ろをふりかえってみると血だらけの女は肩にしがみついたまま、
首だけ後ろを振り返っていてしっかりと目が合ってしまいしばらくの間、自分はその場所から動くことが出来ませんでした。

そしてその夜…
布団に入りうとうととしかけた時にやはり彼女はやってきました。
何の前触れもなく自分の部屋の天井一面の大きさで、あの血だらけの顔で…。そして低い声で
「あいつにだまされた」
「くやしい」
と訴えてきました。
自分はもう目をつぶり夜が明けるのをずっと待ってました。
ちなみにその後は一回も来てないです。

前の話へ

次の話へ