朝顔

150: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 2005/10/25(火) 19:19:22 ID:XdnIpLL80
友人の話。
小学生だった夏休みに、実家の山村に里帰りしていた時のこと。 
その家では朝顔が沢山咲いており、宿題の観察日記をそこで仕上げようと考えた。 
朝が弱かった彼女は、朝顔の蕾に向かって「誰でもいいから待っていて」とお願い 
したのだという。

翌朝。案の定寝過ごした彼女が慌てて花壇に行くと、蕾という蕾がはちきれそうな 
状態のまま咲かずに固まっていた。 
「あれっ咲いてないや」そう不思議に思った次の瞬間。

 ぱんっ!

すぐ後ろの山方から、誰かが手を打ち鳴らす音がした。 
途端、一斉に朝顔の花が開き始める。 
あっという間に、花壇は朝顔の花で満たされた。

花の開く過程というものは美しいなぁ、と実感できたという。 
誰かの気遣いに感謝した彼女は、気合いを入れて日記を書き上げたそうだ。

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