白い奴

869: 本当にあった怖い名無し 2006/02/22(水) 09:49:48 ID:HDPU4PIYO

ずっと迷ってたが、話す決心がついた 
去年の夏。友達A、B、Cと俺とで近くの山にサバゲーをしに行った。 
ちなみに田舎だ。 
俺とAは原付で、後の2人は自転車だったので俺とAが先に着いて2人を待っていた。 
十数分して2人が着いて、俺達は徒歩で山の奥に入って行った。 
前々から目をつけていた場所で、その時初めて行ったんだが実際サバゲーにはもってこいの場所だった。 
2対2のチーム戦(俺、B対A、C)で最初は麓からすぐ近くで遊んでいたが、テンションがあがるにつれ奥へ奥へと入って行った。 
1時間過ぎた頃には麓から相当離れた所に来ていたと思う。 
俺とBが茂みに隠れ息を潜めていると、「おーい!○○(俺)ー!」と俺達を呼ぶAの声が聞こえた。

俺とBが茂みから出ていくとAが1人で俺達のほうへ走ってきた。 
「どうした?」とBが聞くと、「Cがいない!」と顔を真っ青にしながら言った。 
とりあえずAを落ち着かせ、事情を聞いた。 
するとAとCは俺達を挟み撃ちにするべく二手に別れて行動を取ったらしい。
Aが俺達のほうへ来てもCがいっこうに来ないので心配になって俺達を呼んだというわけ。 
もしかしたらケガでもしたのかもということになり、俺達3人はCを探すことにした。 
まずAとCが二手に別れた場所に行き、そこからCが向かった方向へ進んだ。 
しばらく歩いていたらCはいた。地面に座り込んである一点を見つめてる。 
俺が「おい!C大丈夫か?」と言っても返事はなく、ただただ一点を見つめるだけ。 
その見つめる先というのはただの林で何もない。 
とにかくケガをしてないことを確認し、Cを立たせようとして俺とBがCの腋に手をかけた瞬間、
「あぎゃぎゃぎゃぎゃ!!」とCが叫びとも笑い声ともとれる声をあげた。

俺達はその声にビビって一瞬退いたよ。 
そしたら途端にCは奇声を発しながら体をくねらすようにして踊り?はじめた。 
ビビり屋の俺はもうそれが怖くて(とにかく表情がやばい、目が死んでる)泣きそうになった。 
Aが必死でなだめるがCはただ踊りながら奇声を発するだけ。 
もともと力の強いCを無理やり引っ張ることもできず、俺達はおろおろしていた。 
俺はさっきからCが凝視してる先が気になって、よく目を凝らして見てみた。 
そしたら林の向こう、木と木の間になんていうか白い人間のような物体が見えた。 
「ねえ!なんかいる!」と言ってAとBにも見るよう促した。 
もっとよく見てみると、動いてるようだ。くねくねくねくね、まるで暴れるミミズみたいに。 
もう俺は半泣きだった。さっき言った通り俺はビビりだ。 
「おい、なんだあれ…」とBが言うと、Aが「見てくる!」と言い走って行ってしまった。 
俺は一生懸命行くなと呼びかけたが遅かった。
Aは白い奴がいたその場にしゃがみこみ戻ってこなかった。 
白い奴はいつの間にか消えていた。 
AはCと同じように狂ったようにくねくね踊ったり奇声を発したりした。

現在AとCは精神病院にいる。 
Bはあの話を絶対したがらない。 
結局あの白い奴がなんだったのかはわからないし、あの山にも行ってない。

俺が体験した一番怖い出来事だ。

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