T教

849 :本当にあった怖い名無し:04/09/04 08:32 ID:Wp1FNAxK
小学生低学年の頃、姉の友だちS子ちゃんの家であるT教の教会が近所にあり、たまたま遊びにいった時に行事で集まっていた信者から、 
子供用のありがたき?読み物などを頂き、何故だか素晴らしく美味なタコヤキを焼いてご馳走になり感激したことがある。 
S子ちゃんは姉の友人の中ではダントツに美少女でとても優しい憧れの人だったので、子供時代はT教に対してただならぬ好印象を抱いていたのだった。 
休みの日などに紫旗を掲げ拍子木を鳴らしながら歩いている行列に後に並んでについて行こうとしたことがあったが、 
チンドン屋のそれとは違ってT教の儀式に関しては母に常々厳しく制止されていたので宗教的な行いは何となく避けなければいけないと心がけつつも、 
教会の祭壇や信者の立ち居振る舞いには謎が深まりほのかな好奇心を膨らませていたのであった。 
そんなある日、S子ちゃんの家の方角に隊列になっている集団がいるので、またタコヤキをご馳走してくれるのではと密かな期待を抱き何だろうと近寄っていくと、 
黒礼服で集合している人々がたむろしており、マンションから棺桶が担ぎ出されてきた。 
すぐさまT教とは関係のないただの葬列であることを悟り親指を隠し、その場を去ろうと駆け足で追い抜かしたところ、突っかけて履いていたサンダルが脱げ側溝に落ちてしまった。 
喪主が挨拶している横でガサガサと水気のない溝のドブ板をずらしてサンダルを回収し、立ち去ろうとすると道端に奇妙な棒きれが落ちているのが目に入ってきた。 
何だろうと思って見ていると、葬列のおばさんと目が合い棒きれを手にとって渡そうとしたところ、おばさんは解らないと言って受け取ってくれない。 
そのまま放置すれば良かったのだが、ふとT教に持って行って奉納すれば良いのではという全く意味のない考えが頭をよぎった。 
T教へ向かおうとしたところ、霊柩車が出入りしはじめ葬儀会場の前を横切るのが気持ち悪いので道を引き返し別の道へと戻った。 
かなり昔のことなので曖昧であるが、棒きれを手にとって眺めたところ「霊素麺」と手書きで記され黒い羽根のような絵柄が描いてあり、 
凄く不気味な感じがして背筋か凍り付いた記憶というか感触がある。 

なんだか「霊素麺」を手に持っているのが異常に気味悪くなり、すぐに捨てようかと思ったのだが罰が当たると嫌なので、 
誰かに処分して貰う方が良いような気がし、ふと立ち止まったところ同級生のK藤君の家の横に来ていたので門の植え込みに投げ入れその場を振り返らず逃げ去ってしまった。 
その後、T教の前で手を合わせ家で塩を体に撒き自己流の除霊をしたものの、K藤君には悪いがやはり気色悪いので「霊素麺」の事は誰にも話さずそのままにしてしまった。 
それから暫くして(一年後くらい)K藤君の父親が病気でお亡くなりになった。 
これは「霊素麺」の一件とは全く関係ないと信じているが、流石に自分なりに忌みビビって数年間は怖いのでK藤の家の前は通らないようにしていた。 
「霊素麺」の話は自分だけの門外不出事項にしていたのであるが、以前友人と酒の席で人には言えない罪悪感を抱いている話題を打ち明けあったことがあって、 
その時に魔が差して語ってしまったことがあり、暫くしてその友人にも不幸があった。 
「霊素麺」は何だったのか?自分としては不幸とは何の関係もないと信じていますが、今朝未明に雷鳴が轟き近所の犬がやたらと騒ぎ立て起きてしまい 
良く寝付けなかったためか「霊素麺」が夢に出てきて久々に思い出してしまった。 
「霊素麺」をネットで検索したのだがそういう語彙はどうも一般的ではないようなので、こちらのオカルト知識豊富な方々に知って頂こうと思い書き込んだ次第です。 
以上 

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