戻り山

202 :名無しさん@おーぷん :2017/04/12(水)10:57:28 ID:4IM ×
これはある元登山家から聴いた話だ。

その人が現役時代にある山を登山中に一人の山伏と遭遇した。
顔の堀が深く外見は外国人ぽかった。
「どうも、お疲れです!」
と山伏へすれ違い様に挨拶をした。

すると
「この山は危ない、すぐ下山した方が良い」
という返事が返って来た。
空を見上げてみても雲一つ無い日本晴れ。

天気予報のキャスターも、
一週間はこの晴れ空が続くと自慢気に言っていた。
だが、山伏だって山のプロだ。
念の為に一緒に下山する事に決めたらしい。
そして登山道入口である細い国道の所に出た。

山伏は
「出来ればもう、この山はには来ない方が良い。
今から山を戻すから向こうを向いていなさい」
と言った。

「山を戻す?」
どういう意味だ?神事かお祓いだろうか?
そういう素朴な疑問が沸いて来る。

一応山から目を逸らす。
が、すぐに視線をラリと山に戻す。

動いていた・・・大きな骨の様なモノが
山の木々の間から見え隠れしていた。

ゆっくりと山は山奥へと進んでいく。
呆然としてその光景を観ている事しか出来なかった。

いつの間にか山伏の姿も消えていて
もう空は真っ赤に焼けていたという。

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