コダマネズミ

613 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/01/07 00:34
知り合いの話。 

彼のお爺さんは猟師をしていたそうだが、その山には奇妙な獣がいるのだという。 
それは、丸々と太った地ネズミの姿をしていたらしい。 

猟をしていると、山道の行く手にふらりと姿を現すそうだ。 
近づくとネズミの身体はボコボコと膨張し始め、倍くらいも膨れ上がる。 
そして甲高い悲鳴とともに破裂して、臓物をあたり一面に撒き散らすという。 
出くわしてしまうと、獲物が取れなくなる上に、大怪我をすると言われていた。 
そのため、しばらくは家にこもって、物忌みをするのだそうだ。 

「獲物を獲り過ぎないようにという、山の神様の報せかもしれんな」
猟師たちはそう言って、素直に従っていたそうだ。 

617 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/01/07 00:57
>>613 
この物の怪は、地元では『コダマネズミ』とか呼ばれていたようです。 
コダマ=木霊でしょうか。
昔は獲物を獲り過ぎないための、何らかの仕組みが存在したのかもしれません。 
それが人為によるものか、人外によるものかは分かりませんが。 
後者だった場合、私たち現代人の目にはどのように映るのですかね。

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