祖父の無念が家族を襲う

原著作者名:アメリカさん 2010/06/21「怖い話投稿:ホラーテラー」

爺ちゃんが死んだ。90過ぎて老衰。
陽気でいたずら好きで楽しかった爺ちゃん。
最後まで頭はハッキリしてたし、家族と婆ちゃんに看取られ穏やかな最後だった………
だってのに、初七日が過ぎたあたりから、我が家で爺ちゃんがらみの怪現象勃発しまくり。

1:深夜12時頃自室の弟の悲鳴。
「勉強中、窓を叩く音がして顔をあげたら、爺ちゃんが窓に張り付いてた!」
2:夜11時頃母ちゃんが絶叫。
「レンジ開けたら爺ちゃんの顔があった!」
3:深夜2時頃俺失禁。
「なんで爺ちゃんが便座の上で正座してんだよ(泣)」

我が家は軽くパニック状態。
親戚のつてで偉いお坊さんを紹介してもらい、相談することになりました。

早速遺影を持ってお寺に行くも、
「死に際も静かで安らかなものだし、何故こんなことをするのか解らない」と、坊さん&家族で頭を捻るだけ。
とりあえず爺ちゃんの霊を呼び出すことになり、隣室で坊さん儀式開始。
襖を挟んだ部屋から最初はお経が聞こえていたが、途中からつぶやき声に。
「……ナルホド……フムフム…………アンタネ………………ええ加減にせんかいっ!!」
坊さんのシャウトに飛び上がる家族。
それから程なくして坊さんが部屋から出てきて説明になった。
坊さんいわく、爺ちゃん家族の前でファイナルギャグ、
『意識が無くなったと見せ掛けて「な~んちゃって!」で目を開く』がやりたかったらしいが、
そのまま臨終してしまい非情に無念だった。
で、家族をちょっと脅かして溜飲を下げてたらしい。
最初は成仏することをごねてたが、坊さんの一喝で成仏したとのこと。

坊さんは呆れてるし、家族そろって怒ればいいのか笑えばいいのか分からない、
なんとも複雑な出来事でした…………あのクソジジイ

後日談。
何故、親父と婆ちゃんの前に爺ちゃんが現れなかったのか坊さんに聞くと、
親父は霊感0で爺ちゃんに全く気付かず、婆ちゃんはショックで心臓がヤバイかもと爺ちゃんが気をつかったらしい。

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