お姉ちゃん

145 :本当にあった怖い名無し:04/08/05 22:12 ID:K6mrBQOA
俺が小さい頃、うちには両親と妹と祖父母、曾祖母ともう一人、妙齢の女性がいた。 
俺はその女性を「お姉ちゃん」と呼んでいた。 
両親が共働きだったこともあって彼女はよく俺の面倒をみてくれた。 
昼はだいたい曾祖母と一緒にいるか幼稚園、 
夜になると仕事から帰ってきたお姉ちゃんが俺を構ってくれた。 
幼稚園の年長組くらいの時にお姉ちゃんが家を出ることになって 
俺はお姉ちゃんが本当に好きだったのでかなり泣いた記憶がある。 

あれから15年以上が経って、先日帰省した時にふと彼女の事を思い出したので 
両親に聞いてみたんだが 
「あんた何言ってるの?そんな人ウチにはいないよ」 
と返されてしまった…。え?嘘?マジで?って感じで背筋が凍った。 
親は、近所のお姉さんの事を勘違いして覚えてるんじゃないかと言ってたが、 
いくら田舎で人付き合いが濃厚だからって、 
よその子供に晩飯作って食わせて風呂入れて寝かしつけてくれる人なんかいないだろ。 
祖父母にも聞いたんだが心当たりないって言うし、妹は当時赤子だったんで知らないって言うし。 
唯一頼りの曾祖母はとっくに他界してるし…。 
一体どこの誰だったんだ? 



146 :本当にあった怖い名無し:04/08/05 22:30 ID:jWza3mKm
親族が居なかったことにしたい人の可能性はあるかな。 
何か揉め事があって、彼方には知らせまいとしているとか。 
土地相続、御妾さん、その他。 

気分害したのならスマソ。 



151 :145:04/08/06 00:35 ID:dL1LMbRR
う~ん、妾は囲えるほど裕福じゃなかったし親父や爺さんの隠し子にしちゃ年が半端だし 
両親も本当に心当たりがない感じで、まあ酒が入ってたからうまく誤魔化されたのかも知れんが。 

心の幻とか、心霊にしちゃ思い出が妙に所帯くさいしなぁ。 
一緒にアニメを見た記憶とか、その主題歌?だと思うけど 
「すきときめときす~」とかいう歌歌いながら高い高いしてもらった記憶とか、 
あと、晩御飯作ってる彼女の足に抱きついてそのまま引っ張られたりしたとか… 

ただ、覚えてる思い出が殆ど「俺とお姉ちゃん」もしくは 
「俺とお姉ちゃんと曾祖母ちゃん」だから、ひょっとしたらお袋と間違えてるかと思ったんだが、 
お袋とは髪型が違うし(お袋は肩までだが一つしばりにしてた彼女はもっと長かった筈)。 
仮に親族だとしても家族が知らないってどういうことだ? 
近所の心を病んだお姉さんにしても、家に来てたら誰か気付くよなぁ。 

なんか書いてたらだんだん怖くなってきた…ほんのりどころじゃねぇ。自分が怖い。 
明日もっかい実家に電話してよく聞いてみる。 



160 :145:04/08/06 13:06 ID:8Pr4OTqO
えー、お騒がせしました。無事解決しました。 
かなりくだらないオチですが現実ってこんなもんだよね、という事で。 

先ほどまで電話で「いた」「いない」と揉めてたんですがその内にお袋が 
「ひょっとしてあんた、伯父さんとこの○○ちゃんと間違えてない?」 
と、言い出しまして。思い出はともかく人相風体が一致するんで問い詰めたんですが。 
「いや、間違いなくウチにはいなかったよ。 
 ア ン タ が 向 こ う の 家 に 預 け ら れ て た だ け で 」 
聞いてみると、妹が生まれた直後に爺さんが倒れたり妹が大病を患ったりしたので 
曾祖母と一緒に親戚の伯父の家に1年ほど預けられてたそうです。 
『お姉ちゃん』は当時未婚だった、伯父の末娘だろうとの事。 
…そういや確かに妹の見舞いに行った覚えがある。 
時期も年長ではなく年少の頃だったそうで。 
両親もまさか預けられていた事を忘れてるとは夢にも思わなかったらしく 
「1年も預けられといて忘れるなんて…」 
と苦笑いされました。確かに我ながら間が抜けすぎ。 
こないだ聞いたときは「ウチに昔いた若い女の人」とはなから 
家の人間だとして聞いてたから気付かなかったみたいです。 
なんで伯父の事は覚えてなかったかと思ったんですが、 
やたら顔が怖くて当時の俺が超苦手にしてた人でした。 
近づくだけで泣いてたからお互い傍には行かない様にしてたんじゃない?とはお袋の言。 
家の間取りも外見も、田舎の家なんでよく似てたんですよね…。 
その後伯父は死去し、お姉ちゃんは結婚して地元を離れたそうです。 
「せっかくだから電話か手紙でもしてみたら」 
と言われて住所と電話番号教えてもらったのでこれから掛けてみようかと思います。 
お騒がせして申し訳ありませんでした。でも俺も昨日一晩寝れなかったから許してください。 

お別れ会の記憶はなかったんですが 
車で行っちゃうお姉ちゃんについて行こうとして 
両親につかまえられて大泣きしながら見送った記憶はあります。 

…要するにコレ 
「お姉ちゃんが家から出て行く時の記憶」 
じゃなくて 
「俺がお姉ちゃんに連れられて自分の家に戻された記憶」 
だった模様。 
記憶のすり替えって本当に怖いな…と実感しました。 

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