髪の長い女の幽霊

136 :乱筆すまそ:04/08/05 11:25 ID:vM/PsOWi
私は小学生のころ、霊が見えると周りのみんなに言っていました。 
もちろんそれは全くの嘘なのですが。 
ある日私は、「通学路にある空家の窓に、女の幽霊がいたよ。髪が長くて、こわかった」と喋りました。みんなビビり、私はさらにその話をしました。 
その途中で、私のこめかみの辺りに、「ビシッ」という感じの衝撃が走りました。 
それから、教室の隅や、廊下などに、黒い影を見る様になりました。 
その日の4時間目、私は寒くてふるえが止まらず、吐き気もするため、早退することにしました。 
迎えに来た母の車に乗り、窓から景色を見ると、その例の空家が目に入ってきました。 
そこで私はとんでもないものを見てしまうのです。 
なんと、髪の長い女の幽霊がいるのです。 
私には霊感はないはずです。なのに何故見えるの!?そう思ったとき、その女と目が合ってしまいました。 
女は、窓から貞子の様にニューッとはい出て、四つ足で私の乗っている車を追い掛けてきました。 
しかも、女以外にも、追い掛けてくるものが徐々にふえているのです。 
これにはたまりません、私は悲鳴をあげ、母は車を急停止させました。そうしている間に女達は近付いてきます。 
女が助手席の窓に手をかけるーーーその瞬間、また私のこめかみの辺りに、「ビシッ」という感じの衝撃が走りました。 
頭を押さえ、しばらくしてあげると、女達の姿は消えていました。 
がたがたと身体が震え、家につくまで母の服を掴んでいました。 
それからは黒い影を見ることもなく、もちろん、あの女達も見ることはありませんでした。 
私は霊が見えると言うのをやめました。 

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