河童

649 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/01/12 14:15
知人の実家に泊まったときに聞いた話です。 
彼の実家はとある地方ののどかな田舎町にあり、 
美味しい湧き水が流れる小高い山に連れて行ってもらいました。 
その山は県が管理しているそうで、車道も完備され、 
山の上の方には公園もあり、公園から町が一望できました。 
右側に森が広がっており、木々の間に赤い鳥居が見えたので 
知人に案内してもらえないか尋ねたのですが、あまり行きたくない場所だと 
言うのです。 
知人によると、それはカッパを祭ってある小さな神社だという事でした。 
昔はカッパが村によく現れて、川魚を運んでくれたり村人と遊んだりして 
いたといわれてるそうです。 
しかし裏伝説があり、そのカッパというのは口減らしのために 
親に殺された子供たちの霊だとも言われているのだそうです。 
子供は岩で頭を打ち付けられ殺され、その子供たちの祟りを静めるために 
神社が建てられたのだと。 

「当時、村の土地の大半を所有していたお屋敷に、生まれながらに 
頭のてっぺんが平らにへこんだ子供が生まれた。 
頭だけでなく、手足に水かきのようなものがあり、日に日にその姿は 
カッパに似ていった。 
母親はそれでも可愛がっていたが 
父親や兄弟たちは忌み嫌い、その子供の存在を隠すため、座敷牢に閉じ込めて育てた。 
ある夜母親が子供を座敷牢から出してやると、子供は父、兄弟たちを 
かみ殺してしまった。 
その子供は行方知れずになったが、その後村人の子供が同じような 
殺され方で多数死んでしまい、祟りだと恐れた村人たちは 
鳥居を作り過去に殺された子供たちの霊を供養した。 
以後子供が殺される事件は起きなくなった。」 

知人はこの話を信じているわけではないと言いましたが 
子供の頃、その神社で遊んでいた時に、誰もいないのに髪の毛を引っ張られたり 
遠くから子供の泣き声が聞こえてきたり、奇妙な体験をしたそうです。 
ある日鬼ごっこをして帰宅し、ドロだらけになったTシャツを脱ぐと 
小さな手形が背中のところに3つ付いていて 
その手形の指の間に水かきのような物があったそうです。 

このことがあってから、神社には近づかなくなったという事です。

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