電話ボックスの女

1732 :あみりたどばんべ:2012/11/11(日) 14:22:07 ID:Jel6YSYA0

今日は、仕事は休みなんだけど、今からバイトで
少し始まるまで時間があるので
今回は「公衆電話」のお話をしたいと思います。

N県の竹○内峠と言うところには山奥なのに
1つだけぽつんと電話ボックスがある。

その峠は、100回以上通ったけれど
いつも下を向いた若い女の人(ノースリーブのワンピースをきてる)
が受話器を持って立っている。

だいたい亡くなった人って皆、白い服着てるよなぁ...
私はその電話ボックスを通り過ぎる時いつも、そんなことを
考えていた。

自殺者...だと思う。
死ぬ前に誰かに電話しようと思ったんだろう。


本当は死にたくなかったのに...
最後の電話の相手は電話に
出てくれないまま死んじゃったものだから
電話ボックスから離れられずにいる。

ここまではなんとなく見えるんだけど
未練が深すぎて、悪霊になっている様子だった。

触らぬ神に祟りなし。
私はいつも見えないふりをしていた。

先日のこと。
この日は帰るのが遅くなってしまって
近道である竹○内峠を通ることにした。

電話ボックスに通りかかった時
その時まではその女の人のことなんて忘れていたんだけど
たまたま、姿が目に入ったんだよね。

「まだ、いるんだ」
私は小さくつぶやいた。
するとその女の人はこちらに振り返った。

長い前髪から目と口が弧を描いていた。

ニヤリ...
と笑っているのだ。

瞬間的に理解した...

あぁ、連れていく相手が見つかったんだ......


それ以来峠を通りかかっても
その女の人は見ていない...

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