いわく消し

1753 :名無しさん:2012/11/22(木) 21:22:42 ID:DZhSAGDw0
あまり怖くないかも知れないですが、投下。
私が一人暮らしをしていたときのことです。そのマンションはこれから売り出しの賃貸タイプでした。
まだ住人は入っておらず、古いので整備したばかりだからと言われました。
私の条件とぴったりだったため、部屋の見学へ。
部屋は整備したと聞いていたわりに、前住人のものが残されていました。しかもかなり放置されていたと見えました。
最近のものではない子供のおもちゃ、テーブル、全てに埃というより砂に近い汚れがついていました。
何かいわくはありませんか?ときいてもないと言われ、自分の家族は所謂見えるひと達だったので
どこにいっても何かしらはいるもんだといわれていたのでそこまできにしませんでした
(私はあまり見えず感じる程度)
結局そこの契約を決めました。帰宅後に親にいうと、確かにその考えは間違っていない。
それでもあそこはやめた方がいい。今からでも契約を破棄出来ないか、といわれましたが、
不動産の方にも悪いし取り敢えず住んでみるよといい呑気な私に呆れられていました。 

12月から住む予定だったのですが、水道管の不備で延期となり翌年の1月なかばから住み始めました。
このときに整備したんじゃなかったのか?という疑問もありましたが、
予期せぬこともあるだろうと思って敢えて深く考えませんでした。
鍵の受け渡しの日にまず不思議に思いました。本鍵がやたらと古い。
気になって鍵交換していただけましたよね?と聞くと勿論ですと返ってきました。
腑に落ちないものの、新居に入るとルームクリーニングがされて綺麗になっていました。
色々なところを細かくチェックしていると押し入れから前住人の使っていたカーテンが出てきました。
気味が悪くなり、取り敢えず袋にまとめて台所の隅に置きました。
近くのコンビニまで飲み物を買いにいこうと玄関をでて階段と階段の間に隙間があるのですが、
そこに箱に詰まって何かが置いてある。気になって少し触って掻き分けると、
それは前住人の置いていったものでした。
また気味が悪くなったものの手抜きだろうか?生活に支障が出るわけでもない、そのうち片付けられるだろうと気にしないことにしました。
とにかく深く考えることに恐怖を感じたのです。 

一人暮らしを初めて1ヶ月がたちました。
何も問題なく、初めての一人暮らしを満喫していました。ある日夕方18時頃インターホンがなりました。
部屋と廊下(ダイニングキッチン)のちょうどど真ん中にいた私は。、
玄関まで大股で3歩ほどしかないこともありこっそり覗いて知り合いや宅配員さんだったら出ようと思いました。
しかし今日は宅配が来る予定も誰かが来る予定もなかったので恐る恐る返事をせずにドアスコープを覗きました。
誰もいませんでした。申し上げた通りここにはまだ私しか住んでいません。
隣の部屋に入ろうにもドアの音が聞こえるはず。
上の階に行くにも下の階に行くにも音をたてないというのは考えられませんでした。
さすがにドアを開けて確かめる気にもなれずとりあえず少し扉の前にたっていても
外から人の動く音すら聞こえず、出たんだろうとおもいました。そこまで恐怖はかんじませんでした。
しかし例のインターホンは3ヶ月ほど続きました。いつも夕方でした。
夜寝る前はラップ音が聞こえ始めます。
それでもまだよかったんです。 

ある日友達が遊びに来てくれたのですが、
夜から用事が入ってしまい泊まってってもいいけど帰るの深夜かもと言ったところ待ってるよ!と言ってくれました。
用事も済み、鍵を開けて帰宅すると友人は起きて待っていてくれました。
寝ててもよかったのにと言うと、訝しげな顔で今帰って来るまで帰って来なかったか?と聞かれました。
まるで意味がわからず、帰ってきてないと言いました。
イタズラした?とも聞かれたのでしてないと言いました。事実そんなことはしていないわけですから。
一体どうしたのと強く聞くと、足音が登って来ると言い出しました。
友人によると、私の帰宅を本を読んだりゲームをしたり音楽を聞いたりしながら待っていた。
すると階段を登ってくる音が聞こえた
(登って踊り場が狭いので階段のほぼ真正面が私の部屋)
ビックリさせてやろうとなるべく物音をたてずに物陰(部屋の中の)に隠れた。
全然入ってこないしインターホンも押さないので不思議に思いドアスコープを覗いたら誰もいなかった。
気のせいだと思って部屋に戻って10分程たってまた足音が聞こえたのでさっきと同じようにしてみるがやはり入ってこない。
勿論ドアの外には誰もいない。
さすがに気味が悪くなった。外をドア開けて確認したかったけど開けちゃいけない気がした。
それが2時間程続きやっと私が帰ってきたということだった。
前レスにも書いた通り上がったなら降りる音、更に登るならその音がするはず。なのにそのどちらもしなかった。
本当に怖くなりました。翌日友人は帰って行きましたが、私一人の時もそれが起きるようになりました。
他にも友人が遊びに来た際、喉元を抑えられてるような圧迫感を覚えると言っていました。
他にも電気が突然ついたり消えたり部屋の扉の脇には常に何かしらの気配がしました。
結局このマンションは更新の時に引っ越してしまいました。実害が特別ないとは言えど、やはり気味はわるかったですから。
それと、これから売り出しというわりにテナントの募集も誰かが部屋見学に来ているところも気配すらなかったからです。
もしかしたらいわく消しのモルモットにされたのかもしれませんね。

引っ越しから少し経ってそのマンションの前を通りかかったらお札が張られていました。
やはり何かしらあったんですかね。
ちなみにうちの親曰く、死というものが関係していなくても環境が悪い気のあるところには集まりやすいんじゃないか、だそうです。

長文失礼いたしました。


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