巨大な人魂

39 :VIPより転載 :2014/03/13(木)06:25:47 ID:KqIuIAVHV
俺のおふくろは戦前満州から北朝鮮のあたりに開拓移民でいたんだが、
夕暮れ時、街角の十字路で1m超えるような人魂を見たことがあると
言っていたな。
ぽっかりと浮かんだ人魂は逢魔が時の薄暮の中をふらふら漂っていた
らしい。恐怖はなく、何か不思議な物を見ている感覚だったとか。

家に帰ったら、危篤だった祖母が亡くなっていたとか。
(だから祖母の墓は北朝鮮にあって、たびたびの洪水でおそらく流れて
しまったろうから、今となっては場所も分からないらしい)

俺自身にはそういう経験はないが、実家が江戸時代の刑場跡近くにあって、
そこは何かと噂の絶えない場所だった。最寄りバス停が「地蔵前」という
だが、地元民だけが知っている本当の名前は「首切り地蔵前」
そのバス停から直接見えない交差点の裏に首の無い地蔵があって、それは
江戸時代刑場で処刑される罪人の供養のためのものだった。

そのせいとも言えないが、そこの交差点は県下でも事故の多い交差点で、
特に地蔵の前にあたる角はヤバいと言われていた。
そこに最初に建物作った時は、古い人骨がワラワラ出てきたそうだ。
俺の知ってる限りでも、そこに出店した弁当屋がガス爆発事故を起こして
廃業したり、とにかく店がいつかない。

今では郊外の住宅地として新参が増え、そういうことを教えてくれる古老も
いなくなったけど、古くからの住民は皆知っている。
皆も「ヶ原」とかつく住所は要注意だ。
たいてい江戸時代まで遡れば町はずれの刑場だからな。
地蔵はまだある。

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