真夏の炎天下

123 :名無しさん :2014/04/09(水)11:15:39 ID:kvKAasodn
数年前の出来事。とっても不気味な感じの体験です。夏の昼下がり、私は近所に出来たホームセンターに買い物に行こうと国道を走っていま
した。信号で止まって、何気なく前の車(白エスティマ)を見ていたら、後部の窓から
小さい子供が(おそらく、つたい歩きができるぐらいの年齢の赤ちゃん)がガラス越しに顔を出して
立ち上がって、顔を半分出して私を見ていました。
 
当時、私にも同じぐらいの年齢の娘がいたので、信号が変わるまで、その子に
向かって手を振ったり、変顔してみました。が、その赤ちゃんは無反応でした。
私はこの時は、この状況の異常さに気が付きませんでした。ハッチバック式の車って、後部は荷物置く場所なので、こんな所に赤ちゃんを
乗せる訳がありえません。
 
偶然にも、その車も私と同じ場所に用事があったようで、誘導の人の指示で
ホームセンターに隣り合って駐車しました。エスティマから降りてきたのは若い父親と小学生低学年ぐらいの男の子でした。
で、その2人は、そのままホームセンターに入ろうと歩き出しました。
この真夏の炎天下に赤ちゃんを車に放置するなんてありえない!ここは東海地方の日本一暑い都市の近隣です。気温も35度以上ありました。
私は驚いてその2人に声をかけました。

 「あのすいません!赤ちゃん車から出さないと駄目ですよ」みたいな感じで2人に声をかけました。
「はあ、赤ちゃん??」 2人は何言ってるんだこの人みたいな感じで
顔を見合わせています。

 「赤ちゃん後ろに乗ってるでしょ!連れていかないと駄目ですよ、こんなに暑いのに」と、私は車のハッチバックを指差しました。
怪訝そうな顔でお父さんが車の後部を開けましたが、赤ちゃんはいませんでした。

あれ?私は、その2人にさっきまでの事を話しました。この車の後ろを走っていたこと、
子供がガラス越しに居たこと、私をじっと見ていたこと・・・・・すると、急に父親は何かを察したようで、急に顔面が蒼白になって震えだしました。
真夏の炎天下です。

私「あれ?・・・・私の勘違いだったようです、すいません」
父親「・・・・いや」

紫色の唇のまま、意味も分からずぽかんとした感じの子供の手を引っ張って
足早にホームセンターへ消えていきました。

なので、この話にはオチは無いです。

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