金縛り未満


512 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/05 20:20 ID:FxscKYX/
長文なのでめんどくさい人は読み飛ばしてください。 
今年の4月頃の話 
俺はA県T市に今年の3月に転勤で引っ越してきた。 
住んでいる所は職場の寮のような6階建ての建物、その6階だ。 
ここは旧日本軍の施設があったとか、戦争で人がたくさん死んだとかいう 
いわくつきな土地らしい。 
俺の部屋は二人一部屋で、先輩のKさんと相部屋だ。 
ある夜寝る前に俺はふざけて「金縛りにでもあわんかなー。」と言ってから寝た。 
夜2時ごろ俺はkさんのうめき声で目が覚めた。 
俺はkさんが金縛りにでもあっているのか、と思ってしばらくKさんの様子をうかがっていた。 
しかし彼はすぐに静かに寝息を立て始めた。 
だから俺もそのまま寝ようとした。 
しかし、いきなりかつてない耳鳴りがし始めた。 
耳鳴りだけで体は動かせた。 
俺は寝返りをうったり、部屋の中を見回したりした。 
が、変なものは見えない、耳鳴りはやまない。 

それからしばらく何の進展もなかったので仕方なく寝ることにした。 
しかし横になっても耳鳴りはうるさいし、ちっとも眠れない。 
そのうち足の先から体が冷たくなり始め、それがどんどん上のほうへ上がってくる。 
体全体が痺れたような、冷たいような感覚とともに、顔に風が吹き付ける。 
部屋は閉めきっている。エアコンなんてない。 
しかもこの風はなんだか生臭い。 
俺のイメージとしては、いきなり冷たい手で足首をつかまれて、そのままだんだん冷たい人が 
体を這い上がってきて顔に生臭い息を吹きかけている、という感じだった。 
その間耳鳴りはずっと続いていた。 
俺はちょっとびびっていたが、なにも幽霊とかそれらしきものはみえなかった。 
Kさんは普通に寝ている。 
俺は冷静になるため起き上がってあぐらをかいた。 
時計を見るとかれこれ30分は過ぎていた。明日も仕事なのでもう寝ようと思い、横になった。 
しかし目は冴えてしまったし、耳鳴りはやまない。 
初めての心霊体験かと思い、ちょっとドキドキしていた俺はだんだんむかついてきた。 
今度こそ寝る決意を固めて再び横になった。 
心の中で「金縛りすらできんのやったらさっさと引っ込めボケェ!」と毒づいて 
全身に思いっきり力を込めた。心臓がバクバクいっていた。 
体の痺れと耳鳴りは最後まで続いていたが、それでも俺は眠りに落ちた。 
翌朝Kさんにうなされていた旨を告げると、本人は何も覚えていないとのことだった。 
俺の体もなんともないし、それ以降そんな事は1度もない。 
それ以来俺は枕元にデジカメを準備して寝るようになった。 
金縛り未満な俺の唯一の体験談。 
ほんのり怖かった。 
長文な上つまらないが私は謝らない。 

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