階段を上ってくる気配
364 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/06/25 23:08 ID:zcIyRWpi
子供の時の思いでです。小6のころかな。
愛媛県の田舎で農家に生まれた私の実家は2階建てで、その2階に自分の部屋を与えられていました。
その日は部屋でひとりで留守番をしていました。
そこへ誰かが階段を上ってくる気配がありました。
木造りの階段なので足音がミシッ、ミシッと響くんですね。
その聞こえかたで誰が来てるのかとか、人が階段のどのへんにいるのかまでわかるもんですが、
間違いなく誰かが階段を登ってくるんです。
あれっ、今日はだれもいないはずなのにおかしいなと思いましたが、
足音が祖父のものと思われたため、祖父が来たんだと思いました。
そのころは隠居して別棟に住んでいたのですが、当然こちらにも出入りするし、
私の部屋にやってくることもあったので祖父だと考えても不思議ではありません。
後で考えると、先に玄関の戸を開閉する音が聞こえるはずなのに聞こえなかったのがおかしいんですが。
足音は階段の上までやってきて部屋のドアの向こうで動かなくなりました。
で、祖父が今にもドアを開けて部屋へ入ってくるものと思い、待っていました。
時間にして1分近くたったでしょうか。ドアが開く気配もなく、
どうかしたのかと、心配になった私は部屋のドアを開けました。
当然その向こうには祖父がいるはずでした。でも誰もいなかったのです。
そんなばかな、祖父じゃなくても誰かが登ってきたのはまちがいないのに。
階段を降りるのも足音がするので、待っている間に降りていったとは考えられません。
愕然としました。背筋に寒気が走りました。じゃあ、幽霊とか何かか?超自然現象に違いない。
そう確信しましたが、禍いとか祟りが及ぶような悪霊の類いではなく、たとえば自分にとっての
守護霊のような存在なのではないかと、不思議とそんな考えが浮かんできて、
ほんのりとした恐怖感だったです。
その時の事を何度もよく思い返してみるのですが、決して私の錯覚ではありません。
何かがドアの前まで来て、そしていなくなったのです。