公園

304 :公園1 テネテヒテタ:04/06/23 13:56 ID:s9sK7Kco
聞いた話だが。 

おれの知人が19のとき、高校のころから親しかった女の子と同じ飲食店でバイトしていたそうだが、その女の子と夜の帰り時間が一緒になった。 
それで帰り道に二人で高校時代の話で盛り上がってきたので、ジュースでも買って公園で話でもしようと言うことになった。 

もう夜の9時ころで公園には誰も居ない。 
グランドのすみにベンチがあって、丁度街灯もあったのでそこにすわり話を始めた。 
話は女の子が修学旅行のとき、宿泊していた部屋で体験した金縛りの話になったのだが、そのとき知人は肩の上あたりにゾックと何か感じたそうだ。
それでそんな話やめようと言ったら、彼女は「わたしもそう思った、さっきから誰かに見られているの。」と言ったそうだ。 
それで、その視線を感じるのはベンチの後ろ、二人の頭上を覆い被さるように茂っている大きな木かららしいが、何も見えない。 
ところが二人でしばらく街灯に照らされた葉っぱをを見ていると一箇所だけ、ちょうど二人の斜め上が、ザワザワと揺れている。 
すぐにその揺れはおさまった。たぶん鳥だったのだろうと言うことで、またベンチにすわり、話題を変えて話を始めた。 
しばらくすると二人ともまた何かの視線を感じた。そしてふと斜め後ろを見てみると、そこには二人を見つめる中年くらいの男性が首だけを葉っぱの茂みから出すようにして揺れていた。 
それも首だけが上下に大きく揺れている。 
そしてよく見ると首は木の太い枝の先端についている。枝はちょうど人間の首ほどの太さで、その枝が首と一緒に上下に揺れている。 
二人は少しずつ後ずさりしながら、そして全速力で公園から飛び出した。 

数日後、精神的にも落ち着いた二人がその出来事を店長に話すと、店長はそんなばかなと、二人をつれて昼休みに公園に行った。 
そしてその首が揺れていた木を調べた。
すると高さ5メートルほどのところの枝の先に何かあるのに気づいた。 
何かが枝の先にくるむようにつけてある。 
それは白い布をまるめたもので、そこにはマジックらしきもので人間の顔がかかれていた。 
結局、誰かのいたずらかおまじないでつけたもので、それがたまたま風で揺れたのだろうということになった。 
しかし、いまだに二人は不思議がっている。 
揺れていたのはその枝だけ。
しかも太さにして人の首ほどの枝が風で揺れるなどとは考えられないと。

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