約八年住んでいた家

216 :1/2:04/06/18 14:43 ID:8Dtd4ZcA
中学校一年の頃から就職して上京するまでの約八年住んでいた家が何か変でした。 
木造のかなり古い建物で、主に二階が変だったと思います。 
最初に家の説明をしますが、 
一階は台所、居間、両親の寝室、物置 
二階はまるごと私と姉の部屋という使い方をしています。 
二階の部屋の入り口はドアではなくふすまで、 
一階から階段を上りきった左手にその入り口のふすま、右手に窓(外が見える)があります。 
これから先出てくる「ふすま」という言葉は全てこの部屋の入り口のふすまのことです。 
本当にほんのりですが、いくつか記憶にある話をしたいと思います。 
長文ですので苦手な方はスルーしてください。 

一つ目 
ある夜私は暑くて寝付けなかったので下敷きをカバンから出そうとしました。 
すると、自分を見下ろす真っ黒な影があったので、私は窓を閉めにきた母親だと思い 
「今暑くてこれ(下敷き)であおごうと思って」と話し掛けました。 
その後寝てしまったのか、返事があったかとかの記憶はないんですが、 
次の日母親に聞くと「昨日の夜は二階に上がっていない」と言われました。 
夢だったのかとも思ったのですが、枕元には出した下敷きもありました。 
よく思い返すとその影は本棚より大きく、(うちは一番背が高い父でも本棚よりは大きくありません) 
窓が開いて月の光も入っていたにも関わらずどんな顔かも判別できなかったんです。 
あーなんか変なもん見たなあって思いました。 

二つ目 
うちでは休みの日でもあまり遅くまで寝ていると、母親が二階に起こしにやってきます。 
その日は夏休みだったのですが、朝の八時くらいに階段を上がる足音が聞こえてきました。 
時計を見て、まだ八時なのになあ、と思いましたがしばらく布団に入っていました。 
けれど、いつまで経ってもふすまが開かない。階段を下りる音もしない。 
窓から外でも見てるのかなーと思って私はやっとふすまを開けました。 
誰もいない。 
不思議に思ってそのまま階段を下りて母親に聞きましたが「行ってない」と。 

三つ目 
これは後に姉に聞いた話です。 
当時大学生だった姉は家の中で一人だけ生活サイクルのずれた暮らしをしていました。 
昼夜逆転というわけではないのですが、私を含め他の家族より寝る時間と起きる時間が二、三時間ずれているといった感じです。 
必然的にお風呂の時間なども一番遅く、風呂場やトイレの電気の消し忘れで母に怒られることもしばしばありました。 
ある日姉が眠ろうと部屋の電気を消したのですが、ふすまから何かの明りが漏れている。 
最初外の街灯の明りだろうと思ったそうですが、その割には明るく電気の消し忘れと気付き 
「あ、また怒られる」 
と消しに行こうと思ったそうです。 
けれど、ふすまから漏れる明りは真っ赤。うちには赤く光る電灯なんて一つもありません。 
おかしいと思い姉は無視して寝ることにしたそうです。 
次の日、電気が点いていたとは言われなかったそうです。 

四つ目 
前述しましたがうちは古く、一階で話している内容でも、あまり声が大きければ二階でも聞こえます。 
玄関を開ける音、台所の戸を引く音、冷蔵庫を開ける音などはかなり響いたので二階にいても分かりました。 
ある日家族がでかけてしまい、私が家に一人でいることになりました。 
父親はお昼過ぎくらいに帰ってくると聞いたので、それまで二階でPCをいじってました。 
お昼を過ぎると玄関を開ける音がしました。直後に台所の戸を引く音もしました。 
区切りのいいところで保存しようと私はしばらくそのままPCに向かっていました。その間も一階で誰かが動いている音がします。 
数分後に一階に下りましたが、父親の姿はありません。他の家族の姿もありませんでした。 
父親はその後しばらくしてから帰ってきました。 

記憶に残っているのはこのくらいです。 
今でも父と母はその家に住んでいるし、私と姉も平気で帰省しています。 
特に家族に不幸などがあったわけでもないです。 

部屋の位置関係などわかりづらい箇所がありましたら申し訳ありません。 
長文失礼いたしました。 

前の話へ

次の話へ