ヤクザの隠れ家に入った泥棒の話

189 :猫ゴキ野郎:04/06/14 21:25 ID:gpdl0fZp
ヤクザの隠れ家に入った泥棒の話。 

俺の住んでいた長屋は、駐車場付きの一軒家みたくなっていた。 
営業という職業柄、俺は平穏な昼間によく家に帰って寝ていた。 

ところが、ある日俺は最近泥棒被害が増えているという話を噂に聞く。 
隣人は水商売のオネェちゃんで、結構男の出入りが激しい部屋だった。 
なんでも空き巣に家を荒らされたらしい、、、。 

そんなこんなしていると、裏のアパートでも空き巣の被害が出た。 
例のヤクザの親分の家である。(この時点では知らなかった) 

これで左隣と裏側の家が、空き巣に襲われたという事になる。ちなみに家賃6万円の 
俺達の長屋は、表通りから少し入った路地の、ひと目につきにくい場所にあった。 
こんな状況は始めてである。そうこうしていると、警察官が事情を知らせに来た。 
大体噂に聞いた通りの話を一通りして注意を促すと、すぐ警官は去っていった。 

ある日俺が平日の昼に、部屋に戻り飯を食っていた時、玄関のチャイムが鳴った。 
玄関まで行くと、「○○さんですか?」ドアの向こうから若いお兄ちゃんの声が。 

○○?全然違う苗字?「ガチャリ」しかし、玄関のドアを開けても誰も居ない、、。 

後で聞いた話では、泥棒が留守宅に進入する時に、最後の確認でチャイムを 
鳴らすらしい。俺が聞いたあの男の声は、誰の声か?今もって分からないが、。 

その時は、怒りに燃えていた俺だが、後で裏のアパートが組長の隠れ家だと知り、 
あの若い泥棒兄ちゃんの事が、俺はなんだか急に泥棒のことが気の毒になった。 

一級河川か山林か、それとも海底か、、、私は泥棒の現在の生死すら知らないが、 
駆け出しの空き巣が「引いてはいけないジョーカー」を引いたのはすぐに分った。 

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