廃屋

412 名前:廃屋1/3 :04/04/01 19:07
20歳の夏休み友人同士4人(A、B、C、D)で、
とある心霊スポットに肝試しに車で向かったそうな。
そこは山奥にある廃屋で辺りは既に真っ暗だった。
適当に車を止めて4人は懐中電灯をそれぞれ持って廃屋の入り口の引き戸の前まで歩いていった。
Cがビデオカメラを回していた。
4人とも引き戸を前に無言…
やはり真夜中の廃屋だけあって思いっきり恐かったらしい。

A「おじゃましま~す・・・」小声でそう言いゆっくりとAは戸を開けた。
Aの後に続いてB、C、Dも玄関に入った。
意外と中は散乱しておらず以前人が住んでいた面影が感じられた。
4人はくっついて怯えながら1Fの探索し、2Fの階段の前でAが止まった。
A「どうする?」
B、C「どうしようか…何もなさそうだけど」
D「なんか2Fは気味が悪いから止めない・・・?」

4人とも何か妙な雰囲気を感じていたらしく2Fへ行くのは止めた。
1Fを一回りしたところで薄気味悪い雰囲気を察していた4人は廃屋を出ることにした。
Aは「おじゃましました~」と一礼してDが最後に戸を閉め車へ戻ることにした。

4人は気味が悪い雰囲気は廃屋を出たとき感じ、小走りになっていた。
車に駆け込み、全員乗るとようやく落ち着いたのか
A、B、Dは恐かった~などと話していたが、
Cは顔を真っ青にして一言も喋っていなかった。

と思ったところで、Cが慌てた様に叫び始めた
「おい!A!早く車出せ!!なんか追って来てるって!!早くしろ!!」
あまりの剣幕なので、Aは急いでエンジンをかけ発進させた。

数分は知ったところでCは落ち着いたようで、気づいたら寝ていた。
みんなあまり喋ろうとせず、小一時間後Aの家に着いた。
Cを起こし車から出ると、4人は悲鳴を上げ、Aの家に駆け込んだ。
車一面に手の跡が付いていた。

まさにガクガクブルブルになりながら落ち着いた4人は車に戻り手の跡を拭いたところで、
Cがビデオを撮っていたのを思い出した。
恐怖心はあるもののその時点では好奇心が勝り観る事にした。
ビデオは車からおり、廃屋へ向かうところから始まっていた。
この後すぐに4人は凍りつくことになる…

ビデオは廃屋に着き車から降りたところから始まっていた。
廃屋の前まで歩き、戸の前で4人とも緊張している。
Aが引き戸を開け「おじゃましま~す」と言い中へ入ると、弱弱しい声で

「はぃ、どうぞ~~~~」

声が聞こえた。ビデオを見ている4人は互いに見合わせだが、無言で続きを見た。
1Fを一回りし階段の下で4人で2Fへ行くか相談していた。
すると、子供の声で

「遊んでよー遊んでよー」

しきりに言い続けている。4人はもうビデオに魅入っていた…
そして玄関に戻り、Aが「おじゃましました~」と言いDが戸を閉めた瞬間、
男の叫ぶような声で

「 おい ! !  待てよ ! ! 」

そのときCが叫び、ビデオをデッキから出し狂ったように叩き破壊した…
残りの3人も我に帰り叫び続けたそうだ。



後日、4人はお払いに行き、すぐに車も売ったようで
幸い4人の回りで特におかしなことは起こっていないようです。

前の話へ

次の話へ